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甘えん坊さん

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甘えん坊さん

1 - 甘えん坊さん

♥

200

2019年05月28日

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そらる

ただいまー……

深夜、俺は帰ってきた

外は真っ暗で、雨が降っていた

そらる

……まふー?

まふの名前を呼びながら

リビングに行く

そらる

……まふ…

電気の着いたダイニングテーブルで

腕を枕にして眠っていた

そらる

お疲れ様……

腕の下には、作詞途中のノート

そっ、とまふの髪を撫でた

そらる

サラッサラだな……

まふまふ

んん…ん……

そらる

あ、ごめ、起こしちゃった?

びっくりして手を離す

まふまふ

んんん………

起きたわけではないのか、まだ目を閉じたままだ。

そらる

ははっ……

そらる

本当、かわい……

優しく、まふのうなじをなぞる

くすぐったいのか、まふが身をよじる

まふまふ

……ん、そらるさぁん……?

そらる

なぁに、まふ。

寝言か何か分からないような声に返事をした

そらる

どうしたの?

まふまふ

………………

……やっぱり、寝言だったみたいだ

そらる

こんなとこで寝たら、風邪ひくよ……?

まふまふ

まふまふ

スー……スー……

寝息が聞こえた

やっぱり寝ちゃったみたいだ

そらる

そらる

はいはい、

そらる

分かったよ………

呆れながらも、頬が緩む

俺は、まふを抱っこした

そらる

いつまでも甘えん坊さんなんだから。

そう言って、ベッドに運ぶ

寝かせようとすると、まふが変に動くから………

押し倒すような形になってしまった

そらる

……ぅわっ?!

小さく、叫んでしまった

まふまふ

……んん、そらるさん……?

俺の半径5センチ未満に、まふがいた

まふまふ

まふまふ

何があったんですか?

何があったんですか?

じゃ、ねえよ……

そらる

そらる

……バカ。

まふまふ

はぁ…………?

まふまふ

そらるさん?

そらる

もう。なんでもない。

まふまふ

どういうことですか?

そらる

うっさい。もういい。

突き放すように言って、部屋を出ようとした

まふまふ

まふまふ

…………っ……

シャツの袖が引っ張られた

そらる

そらる

なに?

まふまふ

そらるさん…そばにいて…?

いつもより、甘えた声で言った

…………はぁ。

そらる

はいはい、

そらる

分かったよ……

パッ、とまふの顔が明るくなる

そらる

いつまでも甘えん坊さんなんだから

数分前と同じ言葉

それから、ベッドに沈めて唇を重ねた

まふまふ

そらるさん………

そらる

何、まふ。

とろんとした目付きでまふが言った

まふまふ

まふまふ

さっき、僕、

まふまふ

そらるさんが居なくなる夢を見たんです

そらる

うん

まふまふ

それで……

まふまふ

そばにいて欲しくて……

泣きそうな目つきで言った

そらる

そんなことだろうと思ったよ……

でもね、まふ。

そんなまふだから、ちょっと冷たくしてみたくなるんだ

俺がそばにいないと、悲しむでしょ?

俺を必要としてくれてるまふが…

…………愛しくて。

そらる

そばにいるから、

そらる

今日はおやすみ…

頬にそっとキスをして。

まふの隣で目を閉じた

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