TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

知らない人

ごめんね
急ぎの用事があるのに

望月穂波

い、いえっ、、

知らない人

それで、話の内容に
入るんだけど

知らない人

君は「ノアの方舟」って
知ってる?

望月穂波

あ、えっと、、、

「急な話に戸惑いつつも」

望月穂波

確か、聖書に出てくる
話、、、ですよね?

知らない人

そう、「ノアの方舟」は
旧約聖書に登場する物語

知らない人

人類が堕落し、悪事ばかり
するようになったことを

知らない人

怒った神様は、ある時
大洪水を起こして彼らを
絶滅させることに決めた

知らない人

しかし、「ノア」という人間だけは
そんな時代の中でも
真面目で正しい人だったから

知らない人

ノアとその家族だけは
救済することにした

知らない人

神はノアに方舟を作るように命じ
それに彼の家族と全ての動物の
つがいを乗せるよう指示した

知らない人

その後、洪水が世界を滅ぼし
ノアの方舟に乗っていた者だけが
生き残った──

望月穂波

、、えっとその話は
理解したんですけど

望月穂波

どうして、その話を
私に?

知らない人

実はね、この話で出てきた
「裁きの大洪水」

知らない人

もう一度この世界で
起きようとしているんだ

望月穂波

えっ、?

知らない人

人類は愚かにも環境破壊や
戦争を繰り返し

知らない人

今もまた地上には多くの悪が
はびこっている

知らない人

清らかな心で誠実に
生きようとする人達は報われず

知らない人

ずる賢い人間や
欲に塗れた人間ばかりが得をする

知らない人

こんな世界は間違っている

望月穂波

(この人、、な、なに、、
い、言ってるんだろう、、?)

「やばい人だと察する」

知らない人

信じられないかもしれないけど
近いうちに必ず「終焉の日」は来る

知らない人

その時、神を信仰し 善い行いを
してきた正しい人だけが
生き残ることが出来る

知らない人

、、そう「ノア」のように

望月穂波

(「裁きの日」?「終焉の日」?
この人、本気で言ってるの、、?)

「俯いたまま」

望月穂波

「顔を見上げる」

望月穂波

(ほ、本気の目だ
からかってない、、、)

「汗が流れる」

知らない人

終焉の日までもう時間が無い

知らない人

僕は、、いや僕達「天明教徒」は
少しでも多くの人に
この事実を伝えて

知らない人

滅亡から救済する
使命があるんだ

知らない人

さっき、風で煽られて
資料が飛んで行った時に
気づいたんだ

「興奮気味になってくる」

知らない人

君は優しい心を持った
聡明な人だって!

知らない人

この世界に何の疑問も持たない
汚染された人間達とは違う

知らない人

だから、お願いだ

知らない人

1度だけでいいから
僕達の「集会」に来てくれないかな?

望月穂波

(どうしよう、、、)

望月穂波

(どうしようどうしよう
どうしようどうしよう)

望月穂波

(断った方がいい──
分かってるのにっ、、!)

「頭の中がパニックになる」

知らない人

あぁ、安心して

望月穂波

知らない人

別に君を無理やり入信
させようなんて思ってないから

知らない人

それは、天明教の教義に
反するし 意味が無いんだ

知らない人

ただ、1度だけでいいから
話を、、聞いて欲しい

望月穂波

あ──

望月穂波

(この人は困ってるんだ
一生懸命 頑張ってる、、)

知らない人

天明教は皆いい人たちで
別に危ない宗教じゃないんだ

望月穂波

(危なくないって言ってるし
い、1度だけなら、、、)

望月穂波

分かりました

知らない人

、、っ!

「笑顔になる」

望月穂波

1度だけな──

東雲彰人

おい

望月穂波

、、、っ?!

知らない人

誰?

東雲彰人

コイツの幼じみで
コイツの事を任されてる男だ

「穂波の頭に肘をつけて」

望月穂波

なっ、、、なんで
ここに東雲くんが?!

東雲彰人

だから、言っただろ
「任されてる」って

東雲彰人

──で天明教が
なんですか?

「すごい形相で男の人を見つめ
男の人の肩に凄い力をかける」

知らない人

君と私では
魂のレベルが違うんだ
気安く喋りかけてくるな!!

大声に気づいたのか 周りの人が一斉にこちらを 不思議そうに見てくる

知らない人

、、っ!

「部が悪くなったのか
その場を去る」

望月穂波

、、、、、、

「緊張の糸が解けたのか
どっと疲れる」

東雲彰人

何、変なのに
捕まってんだよ

望月穂波

ご、ごめん、、、
困ってそうだからつい、、

東雲彰人

「ため息をつき」

東雲彰人

早く帰るぞ
じゃなきゃ、俺が絞められる

「穂波の方を振り返る」

バタッ

望月穂波

ん〜、、、、

「眠ってしまう」

東雲彰人

マジかよ、、、

「頭を抱える」

んっ、、

望月穂波

あ、あれ、、?
私──

「ぼーっとした状態で」

望月穂波

きゃっ?!

「バランスが崩れそうに」

東雲彰人

おい、暴れるな!!
ったく、、危ねぇな

「呆れて」

望月穂波

な、なんで私
お、おんぶされてっ、、!

東雲彰人

変な宗教やろうから
助けてやったら
お前がファミレスでイビキかいて
寝ちまったから

東雲彰人

おんぶしてんだろうが!!

「怒る」

望月穂波

ご、ごめんねっ!!
私、もう歩けるから

東雲彰人

──別にいい

望月穂波

えっ?

東雲彰人

疲れてるんだろ
危ないからくっついてろ

望月穂波

う、うん、、、

「恥ずかしさを感じつつ」

東雲彰人

望月穂波

(なんか、、昔に戻ったみたい)

「途端に嬉しくなる」

望月穂波

──今日はありがとう

「耳元でボソッと」

東雲彰人

…///!!

東雲彰人

耳元で喋んな!!

「赤面しつつ」

望月穂波

えぇっ?!
け、けど、ちゃんとくっついてって
言ったのは東雲くんで──

「戸惑う」

東雲彰人

そんなん言ってねぇ!!

望月穂波

えぇっ?!

神様、、いつか いつかきっと──

東雲くんと また、仲良くなれるよね?

loading

この作品はいかがでしたか?

22

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚