突然最推しがやってきました

〜次の日〜

次の日。時刻は午前5時40分。 まだ早朝と言える時間帯だが、彼女は撮影があるので急がなくてはならない。

スタスタ ガチャ、バタンッ

☆

ということがあり… 彼女はあの時、 エースを起こしに行った。

〜エースとルージュが夢で別れる直前〜

ゆさゆさ、ゆさゆさっ

揺すってもたたいても起きず、 彼女は早速苦戦する。

どうやってもエースは起きる気配がなく、 莉那が1人で頭を抱えていた所に…

☆

エースはようやく目を覚まし、 ムクリと体を起こした。

( エースが目を覚まし、おはようの挨拶をかわす )

スタスタ ( リビングへ移動 )

エースは布団から出ると、起こしに来た莉那とともにリビングへ向かった。

〜莉那の自宅〜

リビングへ入ると、莉那は早速と言わんばかりに仕上げに入っていた朝ごはんの仕込みに移る。 ……と、それを見ていたエースがニヤニヤしながら彼女に聞いてきた。

グツグツ ジューーーーーッ🍳

エースはスクランブルエッグを食べた事があるそうで、興味深そうにしながら納得。

☆

さらに仕込みを進めて、あとはまわりにプチトマトを少し乗せる… という所まできた時だった。

……と、彼女のマネージャーを務めている 佐々木由香里から連絡が入った。

( ↑バイブ音にうっすら気づいた )

☆

刻一刻と迫る出発時間… 完成すると2人は急いで食べ終わり、 莉那はもう着替え終わっていたが エースはまだ着替えておらず、 部屋着にしていた黒いタンクトップのままだったため慌てて着替えに行った。

☆

🛎< ピンポーーン♪

そして迎えた出発時間の朝6時30分、 莉那の家の玄関ベルがけたたましく鳴る。

ドタバタドタバタ！！！！ ( 忙しなく走り回る )

今の音でマネージャーが来たとわかり 忙しなく走り回る莉那、エースはというと…

この時には着替え終わっていて、 白や黒を基調としたモノトーン系の服を着ていた。

エースは ‘‘ 玄関前 ’’ という言葉すら知らず困惑するも、昨日靴を脱いだ場所だとわかり歩いていく。

〜玄関の前〜

スタスタ… ピタッ ( 歩いてきて、玄関前で止まる )

ガサゴソいそいそ ( 靴を履く )

玄関前に着くと、エースは現実世界へ来てすぐに買った新しい靴… 濃い茶色に近いブーツを履き、莉那の到着を待った。

☆

ガチャ、バタンッ

しばらくすると莉那が走ってきて、彼女も黒いパンプスを履き… 2人でそのまま由香里が待つ外へ向かった。

〜マンション前・駐車場〜

家の前に由香里の車が停まっていて、 由香里はその車の前で立っていた。 莉那はドタバタと走ってエースも小走りしながらそのあとに続く。 そんなマネージャーの矛先は…

莉那の隣にいた超イケメンの男・エースだった。

☆

礼儀正しいエースは律儀かつにこやかに挨拶するが、マネージャーが驚かなかった事に莉那は驚く… 本来ならばエースはONE PIECEの中でも根強い人気を誇っているため驚かれてもおかしくはないのだが、早速神様の力が発揮されほとんど全ての人の中にあった記憶が消えているため、 あれほど聞かされていた由香里もこうして知らないような素振りを見せているのだ。

☆

エースは由香里から名乗られるも すぐさま首をかしげてしまう。 莉那はその様子からやはり芸能面の事を知らない、と察知… 説明できる範囲内の事をエースに説明した。

☆

由香里はエースを見るなりベタ褒めし出し、 エースもニヒルに笑いながらかわす。 ……というやり取りをしている推しのあまりの飲み込みの速さに莉那は唖然としながら2人を見ていた。

ガチャ、バンッ ( そのまま車へ乗り込む莉那とエース )

〜マネージャーの車〜

ここは莉那のマネージャー・佐々木由香里が所有する車の中。 後部座席にいたエースは当然 ‘‘ 車 ’’ という言葉を知らず、ただ呆然としていた。 1人キョトンとするエースに、莉那が教える。

マネージャーの車は莉那が1人で住んでいたマンションを出て、朝から新宿方面に向かおうとしている。

☆

☆

〜走り続けること35分ほど〜

出発からしばらく経つと 今回の撮影スタジオが見えてきたのか、 由香里から声がかかった。 莉那はいそいそとカバンを取りだし準備する中、エースはまだ興味深そうに外を見ている。

〜撮影スタジオ・駐車場〜

　📢< 駐車券をお取りください

( 由香里が運転席側の窓を開け、 慣れた手つきで駐車券を取る )

📢< 場内の案内表示に従って、 ご入場ください

由香里が駐車券を機械から取り受付する中、エースはやはり駐車券を取り入れする機械に興味を示し、莉那が教えていた。

☆

ブロロロ… キキーーーーッ！！！！

1階、2階、3階… とグルグル回りながら駐車できる場所を探し、駐車場に入って少し経った頃、車が停まる。 今回撮影するスタジオに到着したのだ。

スタスタ ( 車から出て、スタジオへ )

現在時刻は午前7時20分。 一同は車から出ると、莉那と由香里を先頭にしながらスタジオへ入った。 エースも由香里のあとに続くようにしながら歩いていて、2人を追ってスタジオ内へ。

〜撮影スタジオ・エレベーター〜

由香里の車を停めたのは7階、 今回の撮影スタジオがあるのは6階。 だがまずは荷物を置くために3階にある楽屋へ行かなければならず、7階からエレベーターで3階へ向かっていた。 その間、3人は無言のままで 窓がつきスタジオ内から東京都心が一望できる仕組みであったため、 エースが興味深そうに見渡しているくらいで特にこれといった変化は無い。

ピンポーーン♪

楽屋のある3階に着くと、 これまた由香里を先頭にして歩き、 エースもついて行った。

〜撮影スタジオ・廊下〜

スタスタ ( ただ歩く音が聞こえる )

〜撮影スタジオ・楽屋〜

ガチャ キィィイ…

〜撮影スタジオ〜

スタジオに着くと、ヘアセットやメイク、衣装に着替えたりなどあるため 莉那は早速マネージャーと別れ、 エースはマネージャーの隣につく。

☆

〜準備が整い、撮影開始〜

Ace Side

それからおれはリナがよく行ってるという すたじおとやらに連れてこられ、 まねーじゃーを務める女と一緒にいた。

( ↑撮影関連の打ち合わせ的な物ととらえてください )

リナは大勢の男達と円になって話していて、 柄にもなく ‘‘ おれも話したい ’’ なんて思ってしまう。

おれが珍しそうに見ているのを見てたのか、 そのまねーじゃーの女が話しかけてきて 少しの雑談をかわす。

☆

それからリナのさつえい？が始まり、 おれとまねーじゃーの女はそれを見る事に。

パシャッ📸✨

パシャッ📸✨

パシャッ📸✨

☆

リナのさつえいはどんどん進んでいき、 さつえいが始まってある程度経った頃…

リナのまねーじゃーをしてる女から教わった、 ‘‘ かめら ’’ という物を使う役割を持つ男に見つかった。

☆

莉那のマネージャーを務める由香里の隣にいた超イケメン・エースを目ざとく見つけたカメラマンは目を輝かせ、 それを見ていた莉那もド目立ちだった推しが見つかった事に呆然としている。

( ※佐々木さん＝ ゆめちゃんのマネージャーの苗字 )

タタタッ！！！

カメラマンの男はわなわな震えながら エースに声をかけに行き、スタッフ陣は呆然と見送った。

〜エースが座っていた場所〜

Ace Side

その男はすぐさまおれとその女の元へ来て、 目を輝かせながら声をかけてきた。

☆

席を立つなり男は化粧したり着替えさせたりするらしき女達に声をかけ、 そいつらはおれを連れていった。

〜歩いてる道中〜

メイクスタッフとスタイリストはカメラマンからの指示通りに 突如現れた超イケメン・エースをメイク室まで誘導している… が、2人ともエースにくぎ付けになっている。

エースにくぎ付けになっていると、 その本人が聞いてきて慌ててごまかす2人。

キラーーーン♡ ( 無意識にイケメンSMILEを向ける )

エースは無意識に誰もが恋するようなイケメンスマーーーイルを向けると、 女達は顔を真っ赤にさせ赤面、その姿にキョトンとしつつも歩いた。

〜撮影スタジオ内・メイク室〜

Ace Side

女に連れられ化粧する部屋らしき場に着くと、 さっそく座らされ… 名前を聞かれた。

サッ、サッ、サッ…

おれの名前の話をしながら、その女達はおれの顔に化粧したり髪型をいじったりと準備を進めていく。 男のおれに化粧なんて聞いた事がなく、訳がわからないながらもまったく動けないのでおとなしく座ったままで、もはやされるがまま状態だった。

☆

ペタペタ、ペタペタ ( エースの顔にファンデーションを塗っていく、 元からかっこいいのにどんどんかっこよくなるエース )

( ↑エースが言っているのはガープの事で、いつものように ‘‘ ジジイ ’’ と言いそうになる )

☆

それから準備が整った、と言われて椅子から立ち、 さっきまで滞在したすたじおに戻ることに。

〜撮影スタジオ〜

化粧された部屋を出ると、さっきの男が待ち構えていて おれに化粧してきた女が声をかけると、そいつはおれの顔をまじまじと見てきた。

スタスタ

☆

準備が終わるなり男に足早に連れてこられて、 おれもさっきまでリナがいた場所へ。

かめらを使うとかいう男もおれの名前を聞いてきたから名乗ると… さっきの女達のように褒めてきた。

「「「185！？！？」」」

( エースの身長の事で持ち切りになるスタジオ内 )

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スタスタ ( エース、わからないながらも黒い矢印へ )

☆

おれは何もわからないながらも、 男に言われた ‘‘ 黒い矢印 ’’ へ着いた。

男がさつえいしよう、と目を輝かせながら言ってきた。 さっきいそいそと準備されていたのはこのためだったのか…

おれは… リナに続いてさつえいする事になった。

☆

( ↑大丈夫なの？みたいな顔で見てる )

( ↑ニヤニヤしながら見てる )

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男が声をかけると、黒いかめらが いっせいにおれの方に向く。

〜撮影スタジオ〜

You Side

パシャッ📸✨

パシャッ📸✨

そのままカメラマンさんの指示の中、 ぎこちなくポーズをとるエース。 それすらもかっこいい…

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パシャッ📸✨

パシャッ📸✨

エースはぎこちなく表情を変えるも、 1ミリも逃さんとばかりにカメラが向けられる。

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( そのままニヤッと笑ってみる )

パシャッ📸✨

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エースは最初こそ戸惑っていたがここでも飲み込みが早く、イジワルな悪魔のように ‘‘ ニヤァ… ’’ と笑ってみせ… 後ろに引っ込んでいた私はそれを見てことごとくノックアウトされた。

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だがある程度慣れてくると、エースはこっちを見た。

ニヤッと笑ったかと思えばかっこよくキメる。 いろんな意味で、心臓がもたない…

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ぐぬぬ… ゆ、由香里さん… 目ざとい。 私が推しにメロメロだったのを見てたようで、鋭く聞いてきた。

〜撮影終了〜

エースは撮影が終わると、 着替えを経ていそいそと戻ってきた。

この時の時刻は午後8時。 エース共々撮影を終えた。

〜撮影スタジオ・廊下〜

スタスタ ( ただ歩く音が聞こえる )

〜撮影スタジオ・楽屋〜

ガチャ キィィイ…

ぐでっっ

ようやく楽屋に帰ってくると、莉那は疲れ果ててぐでーーーっと倒れ込む。

マネージャーの由香里はそれを見ながらエースを気遣い、楽しかったかと問いかけ、エースも正直に打ち明けた。

……すると今度は芸能界へ来ればいいのに… と目を輝かせながらゴリ押しして、エースも考えておく、と返答。 ……これは俗に言うスカウトだ。 エースはそのままの流れでスカウトされた事になる。

☆

ガサゴソ… ガチャ、バタンッ

3人はそこに置いていた全ての荷物を持ち帰り、楽屋を出た。

〜撮影スタジオ・廊下〜

スタスタ ( ただ歩く音が聞こえる )

〜撮影スタジオ・エレベーター〜

3階にあった楽屋を出ると、今度は由香里の車が停めてある7階の駐車場まで 戻らなければならない。 由香里を先頭にしながらエレベーターに乗り込み、一同は再び7階へ。

ピンポーーン♪

楽屋がある3階から一気に7階まできて、 エレベーターを出て駐車場へ向かった。

〜撮影スタジオ・駐車場〜

駐車場へ着くと、停めてある車はまばらで 何台かもう既に帰宅した、および移動したことが伺える。

ガチャ、バンッ ( そのまま車へ乗り込む )

全員車に乗ると、あっという間に出発。 今度は7階、6階、5階… とグルグル回りながら下り、 さきほどエースが興味深そうに見ていた 1階の駐車券の所まで戻ってきた。

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📢< 駐車券を入れてください

( 由香里が運転席側の窓を開け、 慣れた手つきで駐車券を入れる )

📢< ありがとうございました

紙… もとい駐車券が出てくるほか、 帰る際に入れられるとわかり エースはまたもその仕組みに興味を示し、莉那が教えていた。

〜マネージャーの車〜

由香里の車では、疲れてしまった莉那は後部座席でぐっすり眠っていて 起きているのは運転中の由香里と同じく後部座席にいたエースだけ。

現実世界に来たばかりでほとんど何も知らないエースは新宿の夜景とそびえ立つビルの数に興味を示し、 車の窓を開けてまで見たがり 由香里におねだりした。

〜車から見た景色〜

ガラッ… ( エースが車の窓を開ける )

窓から見えるのは新宿区内にそびえ立つ沢山の高層ビル、新宿駅近辺でもあったことから、沢山の人でごった返していた。 エースにとってこれらは全て初めて目にすること、非常に興味深そうにしながらこの一連の物たちに興味を示した。

次に目にしたのは車から見えた新宿駅。 通勤終わりなのかあるいは違うのか、 新宿駅にはゾロゾロと沢山の人が歩いていた。

〜マネージャーの車〜

ガラッ… ( 閉める )

窓が閉まると、由香里は何か言いたそうに おずおずと口を開いた。

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由香里が言いたかったのはエースの事… エースがあまりにも町の風景などを気にする事から、彼がどこから来たのか知りたかったようだ。

()

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エースも聞かれた事に対し正直に答えて、 ‘‘ 異世界から来た ’’ と打ち明けた。

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( 当然驚きが隠せない由香里、 エースはただ肯定する )

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