優希
いやーいい買い物をした
優希
涼音さんも休日楽しめたかなぁ?
優希
一応お土産は買ってきてはいるけど…
こども
うぉぉぉぉ!!?
こども
おねーちゃんそれもできるんだぁ!
優希
ん?
優希
やけに公園が賑わってるな
優希
少し覗いてみるか
こども
ボールがひとりでに動いてるように見える!?
こども
それどーやってるの!?
涼音
どうやってると言われても
涼音
ただボールを適切な角度で蹴ってるだけだ
涼音
少年達も練習すればこのレベルはいけるぞ
こども
無理だよそんなの!
こども
おねーちゃんが特別だから言えるんだ!
優希
あの姿見た事あるな…
涼音
別に私は特別ではない
涼音
ひとつ何かをあげるのならば
涼音
私は他の人よりも数倍努力してきた
涼音
人並みのことが出来ないから人並みになりたくて
涼音
努力を惜しまずやってきた
涼音
その成果というだけだ
こども
あやしーなー?
涼音
少年達もいずれわかる
涼音
努力の大切さがな
優希
優希
おーい涼音さーん
涼音
ん?
涼音
優希か
こども
誰あのおにーさん?
涼音
私の大切な人だ
こども
かれしってやつだ!
こども
ヒューヒュー!
優希
残念だけど彼氏じゃないよ
こども
えー!?
優希
涼音さんの夫になるのかな?
こども
えぇ!?
こども
結婚してるの!?
涼音
だから言ったはずだ
涼音
大切な人だ と
こども
そんなの分かるわけないじゃん!
涼音
まだまだ若いな少年達よ
涼音
それじゃあ私は彼と一緒帰るとする
涼音
少年達も程々にして帰るんだぞ
こども
はーい!
優希
あの子達と何か繋がりでも?
涼音
いや?
涼音
たまたま私がゆっくりしてるところに
涼音
ボールが転がってきてそのまま成り行きって感じだな
優希
なんだかんだ言って面倒見がいいですね
涼音
子供が嫌いな訳では無いからな
涼音
ただ何故か避けられてしまうことがしばしばあるんだが…
優希
それは多分涼音さんの顔が怖いからだと
涼音
私の顔が怖い?
優希
ほら、クールな人の顔つきって少し怖くないですか?
優希
涼音さんの上司さんとかにもいないですか?
涼音
言われてみれば確かに…
涼音
私からすれば綺麗な人で済むのだが
涼音
他の人の目には恐怖の対象みたいに写ってるのかもしれないな
優希
それと同じ状況ってことです
涼音
顔で損するとは……
そんな緩い会話をしていると先程まで少年達がいた場所から怒声が聞こえた
涼音
怒鳴り声か?
優希
さっきの子供たち方面ですね
涼音
声的に男だな
優希
気になりますし戻りますか
涼音
だな
戻ってみると小さな子供相手に脅している高校生らしき人物が数名見えた
涼音
これは?
優希
話だけでも聞きましょうか
こども
ご、ごめんなさい……
高校生
んなよそ見して歩くなよガキが
高校生
この時間帯はお前らがいていい時間じゃねーの
高校生
俺らみたいなやつに絡まれるからよぉ?
高校生
ギャハハハ!!
こども
ヒッグ……
涼音
ゲスどもねアレ
優希
ダメです抑えてください涼音さん
優希
その握りこぶしをゆっくり解放してください
涼音
すまないが優希
涼音
私を止めないでくれ
優希
暴力的な解決はナシですからね?
涼音
相手からなら正当防衛だよな?
優希
だとしてもやりすぎは良くないですよ
涼音
頭の片隅に入れておく
涼音
済まないな君たち
高校生
あぁ?
こども
お、おねーちゃん!
涼音
まだお前らは帰ってなかったのか
こども
違うの…
こども
もう帰ろうってなって話しながら歩いてて
こども
それでたまたまお兄ちゃん達にぶつかっちゃって…
涼音
謝ったのか?
こども
うん……
涼音
そうか…
涼音
んじゃこの子らも反省してるようだから許してやれないか?
高校生
許すも何もなぁ?
高校生
口だけじゃガキはわからねぇと思うけどなぁ?
涼音
私からすればお前らもガキだぞ
高校生
あぁ?
涼音
もっと言えば相手が謝ってるのにそれを許そうとしない
涼音
あんたらの方がガキだな
高校生
いきなり出てきて中々言うなぁ?
高校生
女といえど容赦しねぇぞ?
涼音
殺さない程度に痛めつけてやる
涼音
少年達ボールを貸してくれないか?
こども
う、うん……
涼音
それと優希少年達を下がらせてくれ
優希
ほんとにやりすぎてないでくださいよ?
涼音
気をつける
高校生
ヒーローぶっても今どきダセェんだよ
高校生
ネットに晒されておもちゃにされるぜぇ?
涼音
ここでの自己紹介は助かる
高校生
んだとゴラァ!
しかし最低限の動きのみで躱されそのうえ足を引っ掛けて転ばせる
涼音
暴力とは感心しないな
高校生
て、てめぇ!
後ろの取り巻きが同じように襲い掛かるが少年達に貸してもらったボールを使い
あまり加減をせずにそのボールを相手の顔面目掛けて投げる
ゴム製の柔らかいボールとはいえ涼音の投げたボールの威力は
ドッチボール用のボールで当てられたのと同じ痛みだった
高校生
ぐあぁぁ!?
涼音
子供虐めてだっさい高校生だね
涼音
器の大きさが小学生に負けてるようじゃ
涼音
将来が心配だ
高校生
な、なめやがって!
最初に転ばされた男が立ち上がり今度は腹部目掛けて殴り掛かる
涼音
素人のボディブローなんて脅威でもなんでもない
殴りを躱してその腕を自分の方に引き寄せそのまま平手打ちをかます
高校生
ぐぁ!?
涼音
女だからって手を挙げていいもんじゃないよ
涼音
それと困ったら力で解決することもな
こども
か、かっけー!
優希
感動するのはいいけどほんとに反省するだよ?
優希
今回はたまたま僕たちがいたからよかったけど
こども
ごめんなさい……
こども
今度からは周りもちゃんと見るし早く帰る
優希
分かったならそれでいいよ
涼音
数人がかりでこのザマならとっとと消えな
涼音
夜外を歩くくらいなら将来について考えた方が時間の使い方あってるぞ
高校生
うっせぇんだよ!
そう言ってリーダーのような男はポケットから折りたたみ式のナイフを取り出す
涼音
今どきそんなの持ってるガキがいるとは…
高校生
こいつで刺してやるよ
涼音
できるか?素人に?
ナイフを使い切り裂こうとするが当たるはずもなく涼音の手のひらで踊らされる
高校生
くっ!
涼音
そろそろ私も帰らないといけない
涼音
早く帰ってご飯を食べないといけないので
涼音
少々荒っぽいことをさせてもらう
涼音は内ポケットから布手袋を取り出すとそれを装着し男のナイフをあっさり取る
そしてそのまま転ばせて身動きを取れない状態にして目先にそのナイフを突き出す
涼音
凶器を使うのはこうなる覚悟を持つことだ
涼音
ちなみに私はあんたと違って容赦はしない
涼音
このまま目を指すこともできる
高校生
あっ……あ…………
涼音
これに懲りたらこんな危ないもんを持ってないで
涼音
しっかりと高校生活を楽しむんだぞ
涼音
少年達はまだやり直すことが出来るからな
そういい涼音はゆっくりと立ち上がり取り巻きの方をちらっと見る
涼音
何処の高校だ?
涼音
このことはしっかりと話させてもらうからな
そのまま情報を聞き出し電話をしてあとは学校側に任せることにした
涼音
これで一件落着だな
優希
ですね
こども
おねーちゃんありがとう!
涼音
優希からも聞いたかもしれないが
涼音
今後は周りをよく見ることだな
こども
ごめんなさい
涼音
失敗から学ぶことは大事だぞ少年
涼音
それじゃあ私はこれでな
この事件をきっかけに涼音は少年達に師匠と呼ばれるようになったとか