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Can't leave~離れられない二人~

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Can't leave~離れられない二人~

1 - Can't leave~離れられない二人~

♥

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2020年05月25日

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「Can't leave」をお読み下さり、ありがとうございます。

最後の方で、性的発言が分かる言い回しを書いております。

苦手な方は、お戻り下さいm(*_ _)m

作者:麻紗鈴

ヒトミ

フミヤァァ!

ヒトミ

イャァァァァァ!

ヒトミ

目を覚ましてぇぇ!

フミヤの母親

ウウッ…ヒトミちゃん…

フミヤの父親

・・・

ヒトミの母親

ヒトミ…

最愛の夫、フミヤは、帰宅途中で轢き逃げにあい、命を落とした。

フミヤを轢いた車は、目撃者の話によると、速度を落とさないまま、走り去ったという。

病院からの連絡で、ヒトミと家族が駆け付けたが、間に合わなかった。

医者

今から処置をして

医者

霊安室に運びますので

医者

手続きをお願いします

医者

では!

処置をした医者は、それだけ言うと病室から出て行った。

ヒトミ

ウウウウウッ…

フミヤの母親

あの医者!

フミヤの母親

もう少し、優しい言葉は

フミヤの母親

掛けられないの!?

看護師

申し訳ありません

フミヤの母親

貴女に言ったんじゃないのよ?

フミヤの母親

あんな冷たい対応ある?

看護師

他にも手術が控えてまして…

看護師

本当に、申し訳ありません!

看護師は、深々と頭を下げた。

フミヤの父親

仕方ないじゃないか…

フミヤの父親

医者も仕事なんだから!

フミヤの母親

それにしたって

フミヤの母親

悲しみにくれてる遺族に・・・

フミヤの父親

もうよしなさい…

フミヤの父親

フミヤが悲しむ…

フミヤの母親

・・・

フミヤの母親

ヒトミ、大丈夫?

ヒトミ

・・・

ヒトミは、首を横に振るだけ。

フミヤの母親

…取り敢えず、葬儀屋に電話しなきゃ…

フミヤの父親

そうだな…

フミヤの父親

ここにいても仕方ない

フミヤの父親

取り敢えず、霊安室へ行こう

病院を出て、皆で霊安室へ向かった。

皆で霊安室へ行き、今後の事を話し合った。

フミヤの母親は、葬儀屋へ連絡。

1時間後、葬儀屋が霊安室へ来て、遺体を棺に移し、フミヤの実家へと運ぶ手配をした。

今夜は、実家で安置した後、明後日の夜がお通夜。

その翌日の午前中、葬式をして、その後、火葬場の方で火葬。

葬式に参列する人々の食事も準備しなければならない。

悲しみに暮れる暇がないほど、バタバタと時間が過ぎていく。

~ヒトミの自宅~

ヒトミ

フミヤ…

ヒトミ

フミヤァァァ!

ヒトミ

ウワァァァァァ!

ヒトミの母親

ヒトミ!

ヒトミの母親

いい加減、現実を受け止めないと…

ヒトミ

嫌だァァァ!

ヒトミ

フミヤが居ないなんて

ヒトミ

考えらんないっ!

ヒトミ

フミヤの所に行きたい!

ヒトミ

もう…無理…

初七日も過ぎ、フミヤが居ない現実がまだ受け入れられず、寝れない日々が続いている。

ヒトミの母親

ヒトミ!

ヒトミの母親

お薬飲んで寝てちょうだい…

ヒトミ

ママ、寝たらフミヤ帰ってくる?

ヒトミの母親

フミヤ君は死んだの!

ヒトミの母親

だから、帰って来ないの!

ヒトミ

ママ、酷いぃぃぃー!!

ヒトミの母親

いい加減にしなさい!

ヒトミの母親

ママは、優しい言葉は掛けないからね?

ヒトミ

…ママ

ヒトミの母親

ママもパパを亡くしてるから

ヒトミの母親

ヒトミの気持ちは分かるよ!

ヒトミの母親

分かるから、強くなってほしいの!

ヒトミ

・・・

ヒトミ

ママも私と同じだったね…

ヒトミ

忘れてた…

ヒトミの母親

ヒトミは小さかったから…

ヒトミの母親

パパとの思い出ないもんね?

ヒトミ

うん、殆ど記憶に残ってない…

ヒトミ

ママは、どうやって立ち直ったの?

ヒトミの母親

ヒトミとヒカリが居たもん

ヒトミの母親

娘二人を育てなきゃいけなかったし

ヒトミの母親

泣いてばかりいたって

ヒトミの母親

幸せは来ないもの…

ヒトミ

…ママは強いね

ヒトミの母親

ヒトミが居たから強くなれたのよ?

ヒトミ

ママ、私、強くなるよ

ヒトミ

でもまだ無理…

ヒトミ

もう少し、弱いままでいい?

ヒトミの母親

49日までよ?

ヒトミの母親

49日を過ぎたら

ヒトミの母親

フミヤ君は荼毘にふされるから

ヒトミの母親

ヒトミがずっと悲しんでたら

ヒトミの母親

フミヤ君も辛くなるから…

ヒトミ

分かった…

ヒトミ

なるべく、頑張る!

ヒトミの母親

頑張らなくていい!

ヒトミの母親

普通にしてなさい

ヒトミの母親

頑張りすぎると

ヒトミの母親

心が疲れるから…

ヒトミ

心が疲れるかぁ…

ヒトミの母親

普段のヒトミでいいのよ

ヒトミの母親

さぁ寝ましょう…

ヒトミ

うん…

~1ヶ月前~

フミヤ

明日は、結婚して1年の記念日だね

ヒトミ

覚えててくれたの?

ヒトミ

嬉しい!!

ヒトミは嬉しくて、フミヤに抱きつく。

フミヤは、抱きついてきたヒトミの頭に掌を乗せて、優しく撫でる。

フミヤ

当たり前だろ?

フミヤ

大切な記念日を

フミヤ

忘れるわけがない!

ヒトミ

高校の時は、忘れ物の常習犯だったのに!

フミヤ

それを言うな!

フミヤ

俺、もう大人だぞ?

フミヤ

高校の時とは違うの!

ヒトミ

そうだよねぇ…

フミヤ

てかさ?そろそろ、子供欲しいよね?

ヒトミ

えっ?子供?

フミヤ

ヒトミは、子供欲しくないの?

ヒトミ

欲しいけど、もう少しラブラブしたい!

フミヤ

子供がいても、ラブラブできるじゃん!

ヒトミ

う~ん…

ヒトミ

考えとくね!

~寝室~

ヒトミ

んんっ…夢…?

ヒトミ

フミヤ…

一ヶ月前の結婚記念日。

近所の小さな洋食レストランで、フミヤが大好物だったオムライスを食べてお祝いをした。

昨日の事のように、毎日、思い出していた。

その想いが、夢となって現れた。

ヒトミ

そういえば、生理が遅れてる…

ヒトミ

もしかして…

ヒトミの生理周期は、28日周期。

今まで遅れたことはなく、きちんと来ていた。

ヒトミ

明日、産婦人科に行ってみよう…

ヒトミは、再びベッドに潜った。

ヒトミ

ママ、おはよう

ヒトミの母親

おはよう

ヒトミの母親

よく寝れたみたいね

ヒトミ

うん

ヒトミ

ねぇ、ママ

ヒトミの母親

ん?なに?

ヒトミ

ヒトミ

生理が遅れてるようなの…

ヒトミの母親

生理が?

ヒトミの母親

それって…

ヒトミ

…うん

ヒトミ

妊娠してるかもしれない

ヒトミの母親

今まで、遅れた事はある?

ヒトミ

ない!ちゃんと来てた…

ヒトミ

2日間、遅れてる

ヒトミの母親

あ、でもね?

ヒトミの母親

フミヤ君を亡くして

ヒトミの母親

強いストレス受けてるわよね?

ヒトミ

…うん、ストレス凄い…

ヒトミの母親

ストレスで、遅れてる可能性があるから

ヒトミの母親

後、一週間程度、様子を見たら?

ヒトミ

…一週間かぁ~

ヒトミ

長いなぁ~

ヒトミ

妊娠検査薬は使っちゃダメかな?

ヒトミの母親

焦る気持ちは分かるけど

ヒトミの母親

ちゃんと、病院で検査して欲しいわ…

ヒトミの母親

それまで、ママも一緒にいるから

ヒトミ

ありがとう…ママ

~七日後~

ヒトミは、産婦人科を訪れていた。

産婦人科女医

おめでとうございま

産婦人科女医

妊娠されてますね

ヒトミ

本当ですか?

ヒトミ

嬉しいです!

産婦人科女医

まだ胎のうが確認されただけなので

産婦人科女医

妊娠、2ヶ月に入る前の6週目位です

ヒトミ

はい!

産婦人科女医

初期流産の危険が伴うので

産婦人科女医

お仕事されてるならお休みをして

産婦人科女医

ご自宅でゆっくりなさって下さい

ヒトミ

はい!

産婦人科女医

次回の検診日に、心拍音が確認できたら

産婦人科女医

母子手帳の申請書と妊娠届けを渡しますので

産婦人科女医

最寄りの役場で必要書類を添付して

産婦人科女医

提出して下さいね

ヒトミ

はい!ありがとうございます

ヒトミは、女医にお辞儀をして診察室を出た。

~産婦人科~ ~待合室~

ヒトミ

ママ、私、妊娠してた!

ヒトミの母親

本当に?良かったわねぇ!

母親は、ヒトミを抱きしめた。

ヒトミ

まだ、6週目だって…

ヒトミ

ヒトミ

超音波のコピーを、母親に見せる。

ヒトミの母親

まぁ、小さいのね?

ヒトミ

なんかね?

ヒトミ

胎のうってのが

ヒトミ

確認されたって言ってて~

ヒトミは、女医から聞いたことを全て説明した。

ヒトミの母親

安静にして、興奮しないことね

ヒトミ

うん!

ヒトミ

フミヤのご両親にもお伝えしなきゃ!

ヒトミの母親

ヒトミの母親

ちょっと待って!

ヒトミの母親

報告はまだしない方がいい…

ヒトミ

えっ?どうして?

ヒトミの母親

流産の危険性があるなら

ヒトミの母親

それを過ぎた後がいいと思うよ?

ヒトミ

あ~…そっかぁ~…

ヒトミの母親

母子手帳を受け取ったでもいいかも…

ヒトミ

うん、そうする

~二ヶ月後~

ヒトミは、フミヤの両親に妊娠を伝えた。

フミヤの両親は、ヒトミの妊娠を心から喜んでくれた。

ヒトミは妊娠を機に、フミヤと住んでいたアパートを引き払い、義実家に住むことになった。

義父母達がいた方が、出産後は何かと得をする。

色々が事があったが、ヒトミは無事に、元気な男の子を出産した。

男の子の誕生に、義父母は大変喜んだ。

産まれた男の子には、フミヤのミの一字をもらって「タミオ」と名付けた。

タミオもすくすく育ち、5歳を迎えようとしていた。

~五年後~

フミヤの母親

タミオちゃん!

フミヤの母親

ばぁばと幼稚園行こうか?

タミオ

ヤダ!ママといくぅ!

ヒトミ

タミオ!ママ今日は仕事が早いから

ヒトミ

ばぁばと、幼稚園に行ってくれる?

優しく、タミオの頬を包む。

タミオ

グズッ…わかった…

タミオ

ママ、おしごとがんばってね?

ヒトミ

うん!頑張るわよ!

ヒトミ

タミオは良い子ね~

タミオ

うんっ!

タミオ

ぼく!いいこ!

ヒトミ

うん!

ヒトミ

いい子いい子

ヒトミは、タミオの頭をなでなでした。

ヒトミ

では、義母さん

ヒトミ

タミオのこと宜しくお願いします

フミヤの母親

大丈夫よ

フミヤの母親

お仕事行ってらっしゃい

ヒトミ

行ってきます

ヒトミは、仕事に行った。

タミオは、聞き分けの良い子に育った。

これも、義父母達のおかげでもある。

父親のいない分、義父は精一杯、可愛がってくれていた。

タミオもまた、お爺ちゃんの事を、本当のパパのように甘えていた。

そんな幸せも、長くは続かなかった・・・。

~11年後~

ヒトミ

やっと落ち着いたわね…

義父が末期ガンで呆気なく亡くなり、その数ヶ月後、義母も体調を崩し、義母も亡くなってしまった。

タミオ

爺ちゃんが死んだ後

タミオ

婆ちゃんまで後を追うように

タミオ

亡くなるなんて…

ヒトミ

人はいずれ亡くなる…

ヒトミ

その覚悟は出来てたけど

ヒトミ

まさか、お婆ちゃんまで

ヒトミ

亡くなるとは思わなかったわ…

タミオ

母さんのことは

タミオ

俺が守るからな?

ヒトミ

あらっ…

ヒトミ

ありがとうねっ

息子、タミオのこの言葉は、母親を思いやる言葉ではないという事を、後々知る事となる。

~4年後~

タミオは、二十歳になり、大人の仲間入りをした。

見た目も、フミヤにそっくりで、勘違いしてしまう。

ヒトミ

タミオ、祝成人だね!

ヒトミ

おめでとう!

タミオ

ありがとう

ヒトミ

そういえば、タミオって

ヒトミ

お付き合いしてる人って

ヒトミ

いたりするの?

タミオ

タミオ

いないよ…

ヒトミ

そうなんだぁ…

タミオ

タミオ

彼女とか必要ないし…

ヒトミ

どうして?

ヒトミ

好きな子に振られたとか?

タミオ

タミオ

そんなんじゃないよ…

タミオ

それに俺…

タミオ

好きな人っていないから…

ヒトミ

…なんかそれ寂しくない?

タミオ

なんで?

ヒトミ

好きな人と結婚して

ヒトミ

家庭を持ちたいとか思わないの?

タミオ

タミオ

思わない

タミオ

だって、俺…

タミオは、突然口ごもった。

タミオ

母さんのこと、好きだから…

ヒトミ

…えっ?

ヒトミ

それって、母親として

ヒトミ

好きってことだよね?

タミオ

違うよ…

タミオ

タミオ

女性として好きなんだ…

ヒトミ

ヒトミ

ち、ちょっと待って…

ヒトミ

私とタミオは親子なのよ?

タミオ

そんなの分かってるよ!

タミオ

俺、頭が変になっちゃったんだ!って

タミオ

悩んだ時もあるし…

タミオ

でも、ダメなんだ…

ヒトミ

ヒトミ

タミオ…

タミオ

タミオ

ゴメン、けど

タミオ

本気で愛してるんだ…

タミオ

愛しいって思う時もあるし

タミオ

そのさ…変な話だけどさ…

タミオ

興奮して…寝れない時もある…

タミオの突然の告白で、ヒトミはパニックになる寸前。

顔も声もフミヤそのもの。

まるで、亡くなった当時のフミヤと話してる感じがする。

タミオ

タミオ

ねぇ、俺の思いどうすりゃいい?

タミオ

愛しちゃいけないって分かってるのに

タミオ

心が、気持ちが、身体が反応するんだ…

ヒトミ

ヒトミ

止めてっ!

ヒトミ

アナタは私の息子!

ヒトミ

それ以上でも、それ以下でもない!

ヒトミ

お願いだから困らせないで!

ヒトミは耳を塞いた。

タミオ

父さんの写真を見ながら

タミオ

1人でやってるとこ

タミオ

何度も見てる…

ヒトミ

ヒトミ

タミオ!

タミオ

俺と父さん、そっくりだよね?

タミオ

声も似てたりするの?

ヒトミ

ヒトミ

お、覚えてないわ…

タミオ

ねぇ…

タミオ

ヒトミ…

ヒトミ

ヒトミ

…つっ

タミオ

ねぇ…

タミオ

ヒトミ…

タミオ

俺を愛して?

ヒトミ

ヒトミ

タミオ…

ヒトミ

…無理よ

ヒトミ

顔と声が似てても

ヒトミ

タミオはフミヤじゃない

タミオ

タミオ

…じゃあ

タミオ

1度でいい…

タミオ

1度でいいから…

タミオ

母さん抱いてみたい…

ヒトミ

ヒトミ

ダメ!

ヒトミ

それだけはダメ!

ヒトミ

できない!

タミオ

1回だけでいい!

タミオ

最初で最後のお願い!

タミオ

俺の初めての人になって欲しい!

タミオの一生の頼み事を、ヒトミは聞くことにした。

~ヒトミの部屋~

ベッドの上に、全裸のヒトミとタミオが寝転んでる。

タミオ

…母さん…

タミオ

今夜だけは、ヒトミって呼ばせて?

ヒトミ

ヒトミ

ええ、いいわよ…

タミオ

ヒトミ…

タミオ

好きだ…

タミオ

愛してる…

タミオの口が…

タミオの手が…

タミオの身体が…

ヒトミを快楽へと誘う…

親子の関係を超えて…

ピンクの布の上で…

一つに重なり合った…

そこにあるモノは…

絶頂と快楽…

どん底と絶望…

幾度となく求め続け…

忘れていた快楽…

忘れていた絶頂…

果て続けるソレに…

酔いしれる二人…

ソコに…

母親と息子は居ない…

亡き夫の面影を…

身体と気持ちが…

求め続けた…

そして二人は…

親子であることを忘れ…

男と女になった…

二人は

もう

離れられない

F i n

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