迅悠一
連、昨日送ったスタンプ返ってこなかったけど?
連
……
迅悠一
ねぇ、既読スルー、さみしかったよ?
連
……知らない
迅悠一
なになに?
迅悠一
拗ねてるの?
連
別に……知らないし……
ふてくされて、冷たくして、わざと避けて
何度も「子ども扱いは嫌なんだよ」 って言いかけて───
……でも、言えなくて。
その代わりに私は、どんどん意地悪な態度ばかりとるようになっていった。
それでも迅は、全部見抜いてたみたいで。
迅悠一
ふ〜ん?そっかそっか
……とニヤニヤしながら、こっちの肩を抱き寄せてきたり
迅悠一
怒ってるの? かわいいねぇ〜
……とわざとらしく頭を撫でてきたり。
それがまた、“子ども扱い”されてるように見えて、余計イライラしてしまった。
連
もうっ、やめてよっ!
迅悠一
あははっ!!……連ってほんと分かりやすいよね
連
……なにが!
迅悠一
“ちゃんと、彼女として見て”って、顔に書いてあるよ?
連
っ!!
その一言に、思わず息が止まった。
迅悠一
おれ、わかってるよ
迅が、優しく微笑んだ。
さっきまでの“お兄ちゃんモード”とは違う、確かな熱を宿した眼差し。
迅悠一
連が、もう子どもじゃないことも
迅悠一
ちゃんと、大人の女の子として見てほしいことも
連
……っ、だったら何で、いつも子ども扱いするの……?
迅悠一
……おれの癖、かな
迅悠一
好きすぎて、守りたくなっちゃうんだよ
迅悠一
でも──それだけじゃない
迅悠一
だから、今日はちゃんと伝えるね
そう言って、迅は私の頬に手を添えて……
迅悠一
連のこと、大好き
迅悠一
彼女として、大切にしたい
迅悠一
守りたい
迅悠一
……でも、ちゃんと“恋人”として、向き合っていきたい
そのまま、そっと額をくっつけられる
私の手を、しっかりと自分の胸に引き寄せて───
迅悠一
だから、もうふてくされないで?
迅悠一
連のこと、ちゃんと“彼女”として愛してるよ
その言葉と一緒に、軽く唇にキスを落とされた
甘くて、優しくて、でもドキドキして
確かに、子ども扱いじゃない、“恋人としてのスキンシップ”だった
迅悠一
……こんなキス、妹にはしないよ?
連
……わかってる……///
迅悠一
顔、真っ赤だけど?
連
……言うな!!///
笑って私を抱き寄せた迅の腕の中は、あったかくて……
やっと、“恋人らしさ”を手に入れたような気がした
それでも、私の頭を軽くぽんぽんって撫でながら……
迅悠一
でもね〜……
迅悠一
この可愛さは、おれのお気に入りの“妹感”でもあるんだよな〜
連
迅っ!?!?
迅悠一
……あ、やばい……
迅悠一
拳が飛んでくる未来が見えた
─── こうしてまた、私は迅悠一の“妹っぽい彼女”として
ちょっぴり怒りながら、たっぷり愛されていくのでした







