空を飛びたい

数日後

これまた数日後

遺書

執事のみんなへ

ちゃんと手紙読んでくれてる？

そうだったら嬉しいな

まぁそんなことはいいか

私はね

空を飛びたかった

理由知りたいよね

ここからは楽しい話じゃない

それだけわかっていて欲しい

私は小さい頃から親に暴力を振るわれていた

親は気に食わないことがあったら

すぐに暴力を振う人だったの

それも気分屋でさ

何をきっかけに殴られるかわからなかった

でも大体は勉強のことだったんだ

だから学校に行っても友達を作らずに勉強してた

その結果いじめられるようになった

そんな生活に耐えきれなかった

その時に思ったんだ

死んだから楽になれるんじゃないかって

でも勇気が出なかった

飛び降りも

首吊りも

何をやろうにしても怖くて出来なかった

だから決めたんだ

まだ限界は来てないはず

それなら

限界が来た時に飛び降りよう

ってね

それだったら限界が来るまでに飛び降りる勇気を作れば良いからね

だから私は限界が来るまでに我慢し付けた

本当はずっと限界だった

でもまだ完全に限界じゃない

そう思ってた

そう思って勇気を作る時間稼ぎをした

それでやっと

やっと今日願いが叶ったんだ

きっと執事のみんな悲しむと思う

でも

悲しまないで？

やっと

数年

数十年も願ったことが

やっと願ったんだから

だから

お願い

笑って？

これが最後の主命令だよ

だから、ね？

みんなは不老でまだ長年生き続ける

それはきっと辛いこともあるはず

でも

みんなはこの世界の希望なんだ

だから

生きてね

私が生きたくても生きられなかった

"明日"を