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ぬち
ぬち
ぬち
昔から、音が遠く聞こえた...
人の声も、足音も、
すべて
薄い膜の向こう側にあるように聞こえる
不便だと思ったことはない
だってそういうものだと ずっと思っていたから
窓の外で、風が木を揺らしている
葉が擦れる音が 規則的に繰り返されるそれを
ただ呆然と見ている
時間の感覚はなく
どれくらいたったのか そうしていたのかも分からない
どれくらい そうしていたのかも分からない
らっだぁ
呼ばれて、ようやく視線を外す
振り返ると、 いつも通りの距離に彼がいて
ぺいんと
声は短く、感情は乗らない
それでも、その呼びかけには必ず応じる
らっだぁ
ぺいんと
それだけで、十分だった
理由を聞く必要なんてない
廊下は静かで、足音だけが響く
後ろからついてくる気配は一定で 乱れず
それが少しだけ 心地いいと感じているが
自身では自覚していない
扉の前で止まることなく そのままドアを開ける
中にいる人間は、いつも同じで
両親
低い声
返事はしない
必要ないから
両親
前置きもなく、言葉が落ちる
ぺいんとは一瞬だけ瞬きをする
ぺいんと
両親
それで終わりだった
説明もない
理由もない
ただ与えられる
自分の評価の為か はたまた自己満足か ただそんな事はないだろう
だって 落ちこぼれの 出来損ないだから
少しだけ考える
行ったことのない場所
知らない人間
興味はない
ぺいんと
口に出した言葉は軽く
そこに意味はほとんどない
両親
その一言で、思考が一瞬止まる
わずかに、視線が動いた
背後へ
何も言わずに立っている彼
ぺいんと
それなら、問題ない
心の何処かで少し安心する自分が居る
部屋を出ると、空気が変わる
重さが少しだけ薄れ 息がしやすくなった
それでも、完全には消えない
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁ
短いやり取り
それ以上は続かない
しばらく歩いて、ふと口を開く
ぺいんと
らっだぁ
ぺいんと
ぺいんと
珍しい問いだった
間が一瞬だけ空く
らっだぁ
静かな声
揺れない答え
それを聞いて、ぺいんとは視線を前に戻す
ぺいんと
本当に、それだけでよかった
外に出る
世界が変わる
人が増える
評価される
それでもきっと、何も変わらない
そう思ってる
まだ、知らないだけで
静かな場所で閉じていたものが
少しずつ
軋み始めている事を
自己紹介
ぺいんと
ぺいんと
らっだぁ
らっだぁ
その他 学園:名門魔法学園 「名前募集します」 四年制で寮生活 17歳入学 通常21歳卒業 飛び級制度有り 学園でらっだぁは学園で優秀だと有名
ぬち