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ーカチャ
颯斗
リビングには、 一年記念の時の写真が飾られていた。
その隣には、 俺とお揃いのブレスレット。
颯斗
しゃがみ込んだ視線の先には、 締まりきってない棚があった。
開けてみれば、真っ白の封筒が山のように入っている。
俺は、封筒を全て机に出し、 中身を開けた。
颯斗
封筒を開けてみると、 真ん中に一行文字が書いてあった。
『今日もお疲れ様。』
もう一通、もう一通と開けていくとどれも同じような内容のものばかり。
颯斗
中には俺との写真や、 別れるように書かれた手紙もあった。
永玖がこんなに苦しんでたのに。
俺は全然気づいてあげられなかった。
今思い返せば、何らかのヘルプサインを出していたかもしれないのに。
……永玖、ごめん。
永玖の荷物を持って病院へ向かうと、 メンバーが病室にいた。
そういえば、 この後レッスンだったんだ。
玲
颯斗
謙信
俺は永玖の横に行き、手を握った。
温かい体温を感じて、 生きていることが分かる。
もし、あの時 永玖を探しに行かなかったら。
そう考えただけで、怖くなる。
でも永玖は、それ以上に怖い思いをずっとしてたんだよな。
直弥
なおくんは俺が持ってきた荷物の中からさっきの封筒を取り出した。
永玖が家に帰った時、この封筒見たら嫌なこと思い出すと思って捨てるために全部持ってきたんだった。
颯斗
ワンエン
颯斗
颯斗
颯斗
颯斗
颯斗
永玖
涙を流した瞬間、 握りしめていた手が少し動いた。
颯斗
颯斗
ワンエン
永玖
颯斗
永玖はメンバーのでかい声に顔をしかめると微笑んだ。
永玖
颯斗
永玖は俺の頬に手を当て、 優しく涙を拭った。
メンバーの声で目を覚ますと、涙でぐちゃぐちゃになった颯斗の顔が横にあった。
……そういえば俺、スタッフさんに。
何があったのか冷静になって思い出すと身体が震え出してくる。
哲汰
哲汰が不思議そうにこちらを見ているけど、身体の震えを止めることが出来ない。
その時、フワッと大好きな香りに包まれた。
永玖
颯斗
颯斗
直弥
直弥
颯斗と直弥のその言葉を聞いて、 一気に体の力が抜ける。
哲汰
玲
謙信
そう言って、颯斗以外のメンバーは 「お大事に」 と帰って行った。
病室には颯斗と2人っきり。
先に口を開いたのは颯斗だった。