主
主
主
主
主
主
カラン..カラン..
どこからともなく聞こえてくる鈴の音。
ただ、どこから鳴っているのか
はたまた誰かが鳴らしているのか
姿はどこにも見えない。
僕がこの場所を見つけたのは
3年前の秋。
モブ
モブ
モブ
モブ
モブ
青
モブ
暴言という名のいじめに耐えきれず僕は学校を飛び出した。
歩いて見つけたこの神社。
階段を登りきった場所にあるどこにでもあるような小さな神社。
でもどこか懐かしく不思議な気分に包まれた。
僕はふと空を見上げた。
何か忘れているような、そんな気がした。
流れていく雲。
僕の身体をすり抜けていく爽やかな風。
思い出せそうで思い出せないこの気持ち。
僕はいつしか眠りについた。
目を開けるとそこには、
整った毛並み
ぱっちりとした目
可愛らしい口
誰が見ても『かわいい』というような
神社の狛犬に恋をした。
一目惚れだったんだ。
初めて物じゃない物を好きになった。
いや..
物だな..うん、
青
返事が返ってくるはずのない君に声をかける。
青
青
カラン..カラン..
どこからか鈴が鳴った
中1の出来事。
あれから3年の月日が流れた
朝起きて学校に行き、あいさつをして門を出る。
階段を登り、鳥居をくぐる。
お供え物をして、芝生に寝転ぶ。
カラン..
1回目の鈴が鳴る。
青
僕の恋する君が姿を現す
莉犬くんって名前は僕が付けたんだ。
我ながらセンスいいでしょ?
青
微動だにしない君に声をかける。
カラン..カラン..
2回目の鈴が鳴る。
その時にはもう辺りは薄暗くなって..
青
僕は高校生になった。
中学行ってなくても高校受かるって..
青
今日もいつもと同じ場所。
だけどなにか違う。
鈴が鳴らない。
いつまで待っても姿が見えない。
青
帰ろうとしたその時、光が見えた。
眩しくて、でもちょっと暖かくて..
ー
青
懐かしい声がした
青
その瞬間昔の記憶が蘇ってきた。
赤くんは昔からの幼馴染で、
ここは2人の秘密の場所だった。
よく2人で遊びに来てたんだ
僕の対物性愛をカミングアウトしたのは赤くんが初めてだった。
赤くんは笑わずに話を聞いてくれて、
『俺、青ちゃんのこと好きだったのに残念だなぁ..』なんて
僕は笑って返したけど
その真相を知ることもなく、
目の前で救急車に運ばれた。
そしてそのまま、
笑顔を見せてくれることは無かった。
青
僕の声は震えてた。
赤
青
喜びと不安と安堵で感情が爆発してしまった。
青
青
なぜそう思ったのか自分でも分からないが、
いつの間にか口に出してたんだ。
キーンコーンカーンコーン
ガラガラ..
モブ
モブ
青
バンッ!!
青
ー
モブ
モブ
ー
モブ
モブ
ー
(°А°)...シーン
モブ
モブ
ー
ー
ー
かっこよかったな..
桃って呼ばれてたっけ..
ー
青
ー
青
青
ー
青
ー
ー
青
桃くんのおかげでいじめは無くなった
それと同時に莉犬くんも姿を消した。
桃
青
桃
青
モブ
モブ
桃
青
桃
青
桃
桃
青
桃
青
僕は今、
幸せです。
主
コメント
5件
好き。(( 青赤かなと思ってたら、まさかの桃青!! 流石です。先輩!!