凛
町田さん。こっちの資料まとめと人事部から頼まれた書類の整理お願いできますか。分からないところがあったら聞いて下さい。
町田
はぁい。
凛
(ほんとに分かってるのかな?この前みたいにミスを押し付けられるのほんとにイラつくんだけど。)
凛
お願いね。
凛
……町田さん?あの、これどういうこと?
町田
えー?書類整理しましたよぅ?
私の手元にあるのは大量のプリントとまとめるのまの字もない、内容のそのままを書き出した、ただ見にくくなっただけのデータだった。
凛
……あの、書類整理の意味わかってる?一個のスクリーンに全部を書き写す事じゃないの。整理っていうのはひとつのプリントに書かれてる文とメモを……
町田
あのお。もう帰っていーですか?この後用事あるんでぇー。私は頼まれたことしましたし、分からない事を頼まれてもって感じですし?
凛
分からないところは聞いてって言ったの覚えてる?
町田
んー?きーてないですー。じゃ、失礼しまーす。
凛
は!?ちょっと町田さん!!??
凛
(ほ、ほんとに帰りやがった。)
同僚や先輩からはドンマイ、なんか手伝おっかーとか色々言ってもらったけど、私の仕事の量は2倍どころか町田の雑なまとめのせいで訂正や、削除などのせいで3倍くらいに底上げされた。
凛
(死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね)
凛
(あいつほんとにいい加減にしろよ。てかなんで怒られねぇんだよ。あのセクハラじじい。若くて可愛い女がいたら怒らないもんな。お前も死ね!)
凛
はぁ……終電、間に合うといいな。
凛
まぁ普通に考えて間に合わねぇわな。
凛
(あと3分で駅まで行けるやつなんか人間じゃないわ。)
凛
タクシー呼ぶかぁ。
凛
あ、○○マンション前までお願いします。
タクシーのおじさんははい。と言ってから車を走らせた。
凛
(なんで私あのクソ女…じゃなくて町田さんの教育係になったんだっけ。)
凛
(あぁそうだ。一方的に押し付けられたんだ。あのセクハラじじ…部長に。)
悶々と考えていると着きましたよ。と言って後部座席の扉を開けてくれた。
凛
ありがとうございました。
凛
(さっさと寝て遅くに起きて酒を飲もう。あの子、いるかなぁ)
そんなことを考えながら部屋に入り、適当に化粧を落としてから、ベッドの上で深い眠りについた。