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桜が満開の春、学校の校庭はピンク色の花びらで埋め尽くされていた。
新しい学年が始まり、陽菜は新しいクラスに少しだけ胸を躍らせながら、朝の風を感じていた。
桜井陽菜
陽菜は小さくガッツポーズをし、 クラスの扉を開ける。
新しい制服に身を包んだ仲間たちが 明るい笑顔で迎えてくれる。
今までの学校生活とは少し違う、 少しだけ緊張とワクワクが混ざった気持ちを 抱えながら、席に着いた。
さき
陽菜の隣の席には、親友のさきが座っている。
さきは陽菜に向かってニコッと笑いかけた。
桜井陽菜
陽菜はにっこりと笑って返す。
さきは大きな目を輝かせ、嬉しそうに頷いた。
さき
さきが少しだけ照れくさそうに言う。
その目は、明らかにジェルに向けられていた。
ジェルは学校でも有名な関西弁の お兄さん、陽菜の先輩だ。
普段から陽菜たちを 面倒見てくれる存在で、 クラスでも女子の憧れの的だ。
桜井陽菜
陽菜はからかうように言って さきの頬をつつく。
さき
さきは顔を赤くして慌てる。
陽菜はその様子に笑いながらも ジェルが教室に入ってきた瞬間に ちょっとだけ心がざわついた。
ジェルはいつも通りの明るい笑顔で
笑原ジェル
と大きな声で挨拶した。
その声にクラス中が反応し、 ちょっとした騒ぎが起こる。
女子A
女子たちは口々に挨拶をし、ジェルは
笑原ジェル
と明るく返す。
陽菜はちょっと恥ずかしくなって 視線を下に向けた。
男子A
クラスの男子が冗談交じりに声をかけると ジェルはにっこりと笑った。
笑原ジェル
その言葉に陽菜は思わず苦笑いする。
ジェルの存在感はどこにいても大きい。
さき
さきが、また顔を赤くしてからかう。
陽菜は慌てて首を振る。
桜井陽菜
その瞬間、 さとみが教室の扉を開けて入ってきた。
冷たい風を一緒に連れてきたような クールな印象のさとみは陽菜に一瞥をくれると 無言で自分の席に向かう。
さき
さきが思わずため息をつく。
陽菜はその横で肩をすくめる。
桜井陽菜
桜井陽菜
陽菜は少しだけさとみに対して距離を 感じていた。
クールな彼は陽菜に対してもあまり感情を 表に出すことがないからだ。
さき
さきが小声で話しかけてきた。
その時、陽菜の視線が教室の後ろに向かった。
ころんとるぅとが、また言い合いをしている。
黄党るぅと
水原ころん
ころんが嬉しそうにバナナを見せつけると るぅとは少し顔を赤くしながら怒っていた。
黄党るぅと
水原ころん
2人はどうしてこんなに言い合いばかり しているのだろう?
だが、陽菜は何だかそのやり取りが微笑ましくて 思わず笑みがこぼれる。
桜井陽菜
陽菜はぽつりと呟いた。
さきも頷きながら、 少し寂しそうに言った。
さき
その言葉に陽菜は驚いて顔を向けた。
桜井陽菜
さきはニヤニヤと陽菜を見ながら言った。
さき
陽菜はその言葉を聞いて なんだか恥ずかしくなった。
でも、心のどこかで嬉しさも感じていた。
その日、陽菜はどこかで新しい冒険が始まる予感を感じながら、クラスの一日を過ごしていた。