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第1章[友達]
───ガタッ ガタッ
道の悪い所を走る車
母
母
父
父
波瑠香
車の中で響く両親の怒鳴り声
私はそんなの無視して車から見える海の景色をぼーっと見ていた
親の都合で引っ越してきた【日ヶ丘町(ひがおかちょう)】
田舎だが、とても綺麗な町だ
母
波瑠香
母
母
そう言って、母が指を指すした
指の指す先には、木々でできた綺麗な学校があった
校門の前には【日ヶ丘南小学生】と書かれていた
母
波瑠香
そう素っ気なく返事をして、
再度、私は海の景色を眺めた
正直、学校には行きたくない
前の学校では、あまり友達ができなかったから
あの学校でも、うまくやっていけるか心配だ
・極度の人見知り
・赤面症
この2つが揃っている私に、友達はできない
波瑠香
波瑠香
そんな私の小さなため息は、車が走る音と共に消えていった
.
.
数分後
父
そう言って車を停めるお父さん
私は、リュックを背負って車を出た
車を出ると、白い大きな家があった
見るのはこれで2度目だか、やっぱり綺麗…
母
波瑠香
母
母
波瑠香
父
そんな父の言葉が聞こえたあと
私は、早歩きで家に入った
靴を脱ぎ、階段を上がる
自分の部屋に向かって、入ったあと
ガチャっと鍵を閉めて、その場に座り込んだ
波瑠香
一つ息をついて、部屋を見渡すと
まだ開けられていない、数個のダンボールの箱
その先には、ベランダがあった
ベランダの先で、サァサァという波の音が聞こえた
立ち上がって、ベランダに出た
ベランダの先には、海があった
サァ、と波がかえる音…
私は海を眺めながら
波瑠香
波瑠香
小さな声で歌を歌った
まだ引っ越してない時
まだ両親が仲良かった時
よく一緒に海に行って一緒に歌ったな…
母
母
父
下から聞こえる両親の怒鳴り声
今じゃ口喧嘩ばっかり…
もう楽しかったあの頃には戻れないのかな…
波瑠香
波瑠香
波瑠香
下から聞こえる怒鳴り声が消えるまで、
私は歌い続けた
……To be continued