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君の涙の理由

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君の涙の理由

6 - 笑顔(最終話)

♥

105

2020年11月23日

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森山浩太

おい、大丈夫か?

森山浩太

なぜ返信しない

森山浩太

何でもいいから連絡をくれ

安田直樹

浩太

森山浩太

やっと返ってきた

森山浩太

一週間も休んでるから、心配したぞ

森山浩太

体調でも悪いのか?

安田直樹

……いや、元気だよ

森山浩太

じゃあ、何で休んでるんだ?

安田直樹

……色々あって

森山浩太

紗織さんもずっと会社に来てないし

安田直樹

紗織さんも?

森山浩太

知らなかったのか?

安田直樹

……ああ

森山浩太

どうなってるんだよ

安田直樹

……僕は、自分に自信がなくなった

森山浩太

どうしたんだよ

安田直樹

全部、俺のせいだったんだ

森山浩太

俺のせいって、何かあったのか?

安田直樹

紗織さんを泣かせているのは、俺自身だったんだ

安田直樹

僕には、彼女を幸せにすることはできない

森山浩太

……何があったのか知らないけど

森山浩太

随分と弱気だな

森山浩太

お前らしくない

森山浩太

俺はお前の、何事にもまっすぐな所を尊敬している

森山浩太

だから、インターンで知り合ったお前と、一緒に入社できて嬉しかった

森山浩太

紗織さんのこと、諦めるって言ってたけど、本心じゃないんだろう?

安田直樹

森山浩太

どんな理由であれ、彼女への一途な思いも貫けないなんて

森山浩太

そんなに意気地のないやつだとは思わなかったよ

安田直樹

森山浩太

お前は俺に宣言したはずだ

森山浩太

彼女の悲しみは、全て僕が取り除くって

安田直樹

森山浩太

本当に、このまま終わっていいのか?

森山浩太

よく考えるんだな

浩太はルームを退室した。

安田直樹

……浩太

翌日。

直樹は紗織を公園に呼び出した。

彼女はゆっくり歩いてくると、目の前で立ち止まった。

切ない表情だった。

直樹は彼女のことをまっすぐ見つめた。

安田直樹

あなたを悲しませているのが、自分自身だったと知って

安田直樹

僕はあなたの前から姿を消そうと思った

水瀬紗織

……

安田直樹

でも、考えが変わりました

安田直樹

僕は紗織さんと一緒にいたい

彼女は少し驚いた顔でこっちを見た。

水瀬紗織

……どうして?

安田直樹

僕が去ったところで、紗織さんの悲しみは消えないから

安田直樹

僕はあなたの笑顔を取り戻すと決めたんです

安田直樹

そして、それができるのは、自分しかいないことに気づいた

安田直樹

悲しい思い出を、楽しい思い出に塗り替えるんです

安田直樹

そのために、僕と一緒に過ごしてほしい

安田直樹

この顔を見て、悲しい気持ちではなく、嬉しい気持ちになるようにしてみせます

安田直樹

それができるのは、彼と同じ顔をもった「僕」だけです

安田直樹

だから、紗織さんのそばにいる

安田直樹

何と言おうと、僕はそう決めた

水瀬紗織

……安田さん

直樹は紗織を抱き寄せた。

安田直樹

これから、ずっと一緒に

直樹がギュッと抱きしめると、彼女もそれを受け入れた。

水瀬紗織

……あの時、告白を断ったのは本心じゃなかった

水瀬紗織

本当は、安田さんにそう言ってもらえるのを、ずっと待ってた

直樹は紗織の顔を見た。

紗織さんは、泣いていた。

安田直樹

また悲しくなったんですか?

彼女は首を横に振った。

水瀬紗織

……これは、うれし涙

彼女はそう言って、微笑んだ。

安田直樹

やっと、心からの笑顔が見れた

直樹は彼女に、顔を近づけた。

彼女は目を閉じた。

二人は、キスをした。

終わり

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コメント

3

ユーザー

きゃー!とうとう二人が結ばれた……✨ 毎話毎話ドキドキして、すごく面白かったです!✨

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