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初コメです いい話ですね 次の話も期待してます
めっちゃドキドキ、感動しました!😭
わぉ!凄い、話!
母
父
テストで100点をとったお姉ちゃん
コンクールで金賞をとったお姉ちゃん
体育祭で大活躍したお姉ちゃん
そして
そんなお姉ちゃんを褒める両親
生まれた時からいつも
家の中心には
お姉ちゃんがいて
じゃあ
私が家にいる意味は?
考えて 考えて
やっと出た1つの答え
それは
「飼っているセキセイインコの世話をすること」
だった
チチチチッ
チチチチッ
父
父
母
母
唯花
5年前
大学生になったお姉ちゃんが出ていってから
この家は私にとって
更に居心地の悪いところとなった
唯花
母
唯花
父
父
唯花
唯花
唯花
学校
広美
唯花
広美
唯花
広美
広美
唯花
唯花
広美
広美
唯花
広美
広美
唯花
広美
唯花
大袈裟なんかじゃない、と思う
ミドリの世話をしている時だけは
あぁ、家にいる意味があるなって
そう、思えるから
ミドリの世話は
私の生きがい
私のしあわせ
私が家にいるたった1つの意味
それが、ミドリだから
ガラガラ
先生
先生
浩也
浩也
広美
広美
唯花
唯花
唯花
唯花
浩也
浩也
先生
浩也
唯花
先生
先生
昼休み
広美
広美
唯花
唯花
ひろ君は
幼稚園から小学校低学年まで ずっと一緒にいて
バイオリンの習い事も学校も同じで
ひろ君、
バイオリン、すっごく上手だった__
広美
唯花
広美
広美
唯花
唯花
広美
私が5才の頃
テレビに映るバイオリン奏者
流れるメロディ
母
父
唯花
バイオリンを見てる両親は
とても幸せそうで
この頃はまだ、
両親に好かれたいという思いが
あったのかも知れない
唯花
唯花
唯花
広美
唯花
唯花
唯花
広美
それで…
ひろ君は皆の人気者で
こんな私とも一緒にいてくれる、優しい人
だけど突然
小学3年生のときに
どっか引っ越しちゃったみたい
広美
広美
唯花
広美
唯花
ひろ君
もう、会えないと思ってた
素直に嬉しいよ
唯花
クラスメイト
唯花
タッッ
屋上
唯花
浩也
浩也
浩也
唯花
浩也
唯花
唯花
浩也
唯花
浩也
唯花
浩也
浩也
浩也
唯花
浩也
唯花
唯花
そっか
もう聴けないんだ
ひろ君のバイオリン
浩也
唯花
不思議だな
ひろ君が隣にいる
この感じ、なんだか凄く
唯花
カシャ
広美
唯花
浩也
唯花
広美
浩也
唯花
広美
唯花
広美
浩也
広美
広美
唯花
数日後
浩也
唯花
浩也
唯花
唯花
浩也
唯花
唯花
浩也
唯花
唯花
唯花
浩也
唯花
唯花
浩也
唯花
浩也
唯花
唯花
浩也
唯花
ひろ君がいれば
学校も
今も
楽しいよ
浩也
浩也
_あぁ
私の事、なんでも知ってる
この人に隠し事なんて
できないや
唯花
唯花
唯花
浩也
浩也
浩也
唯花
唯花
浩也
唯花
目の前に
ハロウィンのイルミネーション
浩也
浩也
浩也
唯花
唯花
浩也
浩也
浩也
唯花
数日後
広美
広美
唯花
広美
広美
唯花
唯花
唯花
広美
広美
広美
広美
家にあったんだけど、と言いながら
なにやら雑誌を取りだす広美
広美
広美
広美
唯花
海外で活躍する若きバイオリニスト
白山 拓也さん(26)にインタビュー
唯花
思い出す
「バイオリンは?やってる?」
「辞めたんだ、っていうか」
「辞めさせられた」
見捨てられたんだ
ひろ君は、お兄さんと違うからって
唯花
先生
先生
唯花
唯花
でも
次の日も
その次の日も
ひろ君は来なかった
唯花
ひろ君がいないと
学校がつまらない
放課後
ピンポーン
唯花
唯花
春也
唯花
唯花
唯花
春也
唯花
春也
春也
春也
唯花
春也
春也
春也
唯花
春也
唯花
春也
春也
春也
唯花
春也
春也
バタンッ
唯花
…それからしばらく
私は歩くことができないまま
その場に突っ立っていた
唯花
唯花
返事はない
唯花
・・・・・・・・。
唯花
唯花
唯花
唯花
唯花
唯花
泣いた
体中の水分を全部出しきるほどに
私は泣いた
いっぱい泣いて、
でも軽くなったのは
ミドリが居なくなった鳥籠だけ
唯花
唯花
ねぇ
私のしあわせは、どこにある?
翌日
唯花
浩也
唯花
唯花
唯花
浩也
唯花
浩也
唯花
浩也
浩也
唯花
唯花
浩也
浩也
唯花
浩也
唯花
浩也
唯花
浩也
浩也
唯花
唯花
その目は怖いくらいまっすぐで
嘘じゃないなんてわかってたはずなのに
浩也
その言葉を聞いてしまったら_
唯花
唯花
浩也
唯花
唯花
唯花
唯花
浩也
唯花
唯花
唯花
唯花
数秒の沈黙
私にはそれが
10分にも20分にも感じられた
浩也
唯花
唯花
浩也
唯花
浩也
浩也
そしてハロウィン
家出当日
浩也
広美
浩也
浩也
広美
広美
浩也
広美
広美
浩也
広美
唯花
広美
広美
唯花
唯花
広美
広美
唯花
広美
唯花
広美
唯花
唯花
広美
唯花
広美
広美
ガサガサ
唯ちゃんへ やっぱり唯ちゃんのことは連れてけない。 唯ちゃんはきっと幸せになれるよ。約束破ってごめん。
唯花
広美
唯花
広美
多分、もうここには戻ってこないから
だから広美
唯花
唯花
ひろ君__!!
お願い、間に合って…
唯花
○△駅
唯花
浩也
浩也
唯花
唯花
浩也
浩也
唯花
浩也
浩也
唯花
意味があるとか
意味がないとか
そんなのはもう どうでも良いの
唯花
唯花
唯花
唯花
…ねぇひろ君
こんな、塩の私でも
今日だけは、 ハロウィンの魔法にかかってみてもいいかな…
唯花
唯花
浩也
唯花
ギュ…
唯花
唯花
浩也
唯花
唯花
ガタンゴトン
ガタンゴトン
この列車は
どこに向かって走ってるんだろう
唯花
浩也
唯花
浩也
浩也
唯花
浩也
唯花
唯花
浩也
唯花
浩也
唯花
浩也
浩也
唯花
…進め
たとえ行き先がきまってなくても
進むんだ
私のしあわせを見つけるために…。