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辰哉side
あれはたしか小学校ぐらいかな
いつの間にか友達になってた奴がいた
そしていつの間にかそいつのことを 好きになってた
俺は男 そいつも男
昔はまだ小さくて 同性が好きだということが恥ずかしくて 誰にも言えずにいた
そばにいるだけで幸せだと 自分に言い聞かせていた
今だったら素直に伝えられるのに…
なのに…言えないまま離れ離れになった
中学初めての冬休み あいつは転校した
いきなり決まっていきなり居なくなった
その頃は携帯も持ってなかったし いきなりすぎて転校先も知らない
何年かして俺もその時住んでいた街から 引っ越して高校に入った
だからもうあいつには 会えないかもしれない
でも俺は諦めをつけることが出来ない
まだあいつのことが 好きなのかもしれない
いや、好きだ
今会えるなら直ぐに抱きついて 気持ちを伝えたい
あっちが覚えていなくても… 俺が覚えてるから…
あと1回だけでも……
辰哉
ここはどこだ?
いろいろと考えを巡らせていたせいか 気づいた時には知らない道を歩いていた
辰哉
辰哉
目の前には大きな鳥居があった
でも神社の名前は見当たらない
辰哉
あたりは真っ暗で神社にある 火のあかりだけが光っていた
辰哉
委員会が終わって 学校を出たのが4時50分
その時はまだ明るかった
それに今は夏
この時間はまだ明るいはず
辰哉
スマホは使い物にならなかった
でも俺は焦らなかった
辰哉
とりあえず中に入ってみた
辰哉
普段あまり外に出ないから3年前ぐらいに来たこの街のことをあまり知らない
神社は大きな本殿がひとつに そのまわりにご神木や 他の木がうわっている
ここだけ見たらどこかの 森の中のようだ
辰哉
一回りしてみたが人の気配はなかった
辰哉
辰哉
いつもお金をあまり持っていない
カバンを漁ると前に使った時の お釣りがたまたま入っていた
辰哉
その小銭を賽銭箱に入れようと近づくと 横にある看板が目に入った
辰哉
この神社でお参りをすれば 本当の願いがひとつ叶います
願いが叶うとかはよく聞くけど 本当の願いってなんなんだろ
辰哉
辰哉
ニレイ パンパン
願い事か……
辰哉
目を閉じながら思い浮かべた