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カランカラン …
いふ
いらっしゃいませ ~
いふ
何名ですか ？
悠佑
1人です
いふ
かしこまりました
いふ
1名様ご来店です ~ ！
いふ
こちらの席へどうぞ
悠佑
有難う ~ … 御座います
この空間が馴染んできたこの頃の
不思議な客のお話だ。
いふ
御注文はお決まり次第お呼びください
悠佑
は ~ い
5分後だろうか ,
呼び鈴が鳴る
いふ
御注文をどうぞ ！
悠佑
えっと ~ ,
彼は迷うこともなく注文していく
悠佑
あと ~
悠佑
付け足しで
悠佑
あなたの愛をください
いふ
… え！？
急な注文に驚く
注文に驚いたと言うか ,
そんなことを言われたのは初めてだった
悠佑
俺『愛』ってものが
どんなものか分からんくてさ …
どんなものか分からんくてさ …
いふ
… ふぅん …
返事に迷ったが
相槌だけ打つことにした
いふ
じゃあ御注文を繰り返します
いふ
以上でよろしいですか ？
悠佑
愛 』を忘れてますよ , お兄さん
いふ
… あ
悠佑
御願いしますっ
楽しそうなその表情 。
これは ,
愛 』を入れないといけなさそうだ。
いふ
しばらくお待ちください
悠佑
は ~ いっ
立ち去ろうとして ,
ちらっと振り返ってみた
彼は笑顔だった
余程『愛』が楽しみなのだろうか
お昼だとはいえ ,
ファミレスだ 。
つまり昼の方が混んでいる。
いふ
『愛』,か …
難しい注文であった
でも , 彼のあの表情からして ,
相当楽しみなのだろう ,
そう感じ取れた
オムライス , か …
ん ？ …
いふ
これだ ！
得策を思い付いた
これで行こう ！
いふ
大変お待たせしました
いふ
こちら , 『愛』のこもったオムライスで御座います
悠佑
有難う御座います …
悠佑
って ケチャップ無くないですか ？
いふ
わざとです
と言うと怒られるだろうか
しかし ,
悠佑
そうですか …
と ,
彼は
しゅんと肩を落とした
いふ
冗談ですよっ
悠佑
… ？
彼は首をかしげる
俺は ,
ケチャップで器用に
彼の顔を描いた
赤で描くのは 少し罪悪感があるが
マヨネーズをかける訳にはいかない。
悠佑
… 上手ぁ …
彼も見惚れたようだった
いふ
はいっ ！
完成です ！
完成です ！
いふ
こちら いふ 特製
『 あいふ 』オムライスです ！
『 あいふ 』オムライスです ！
これには , 『愛』と『いふ』と言う ふたつの意味がある。
悠佑
美味そ ~ ！ ！
悠佑
写真撮るっ
彼は楽しそうだった
まるで遊園地に来た子供のような , そんな感じだった
いふ
どうぞ召し上がってください ！
悠佑
えぇ …
悠佑
食べるの勿体無い …
いふ
でも …
悠佑
あ , じゃあ ！
悠佑
半分食べてください！
いふ
… え ？
吃驚して , 多分 間抜けな声が出た
悠佑
俺が食べるには勿体無いので …
いふ
… 良いんですか ？
悠佑
勿論 ！
これは ,
俺に『愛』を求める 不思議な客の話である - …
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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