〇〇だった長男

死ねばいいのに。

チガウ。

…違うよね？

そうだ。

俺…”弟達”に何か尽くしたっけ、

俺が視てる景色はいつもこうだ。

”部屋”じゃない、

”檻”だ。

こんな場所にいれば苦しくなるだろっ？

なんで”部屋”を”檻”と思うようになったか、

そんなのは忘れた、

いや、”捨てたんだ”。

さっきの発作がまだ落ち着いていないのか、

歩くことがしんどい。

屋敷内はプライベートじゃない、

嫌がってたはずじゃ？

情けな。

俺が支えられるんだ。

みっともな。

俺が迷惑かけてんだ。

だっさ。

俺がっ！！

小さく呟いた声は、

みことにも届かず、

ただ静かに空気に溶けた。