ねぇ、君は

目覚ましの音が耳に届く

にへ、と笑いながら挨拶して来る 少し意識してしまうが、すぐにその思考を頭の隅へ追いやる

作り置え、食卓に並べていると、あずまが降りてきた

アイリがすり寄って来て、腕にぴたりと引っ付く

アイリが腕をショッピの背中に回し、抱きつくような体勢になりながら顔を近付けてくる

助けを求めるが、何やら俯いて拳を固く握りしめている

そう言うやいなや、ちゅ、と唇を奪われる

ぞわ、と嫌な感覚が走り、振り解く

ふざけて反応するアイリを、横から何かが貫いた

それは、しおりの＿＿手、だった

しおりが舌打ちをしながらアイリを投げ捨てた 壁に打ち付けられたアイリにあずまが駆け寄る

ひそひそと話をしたかと思うと、すぐに立ち上がり出て行ってしまった

そして、しおりが近付いて来る 少し怖くて身構える

本音で伝えると、安心した様に近付いて

舌でショッピの唇を舐め、

と満足そうに頷く

無事学校に着き、クラスのドアを開けると、それまで賑わっていたのが嘘のように静かになる

あちこちでひそひそと囁く声が聞こえてくる

黙って席に向かい、この席の持ち主が死んだかのように置かれている花をどかし、準備を進める

口答えはしてはいけない 逆らってはいけない

そう思うのに体が動かない

しおりが思い切り軽蔑の念を言葉に乗せる

だが、構うことなくクラスの奴らは続けている

好き勝手に言い始める

皆、ニヤニヤと笑っている

制服を脱ぎ、カッターシャツのボタンを外していく

ボタンを途中まで外したとき＿

バァァンッ！！

ドアが壊れそうなほどに強く開け、大声で話しかけはじめる＿

名前を呼び抱擁してくる 安心して目の前が霞んでしまう

嗚咽混じりに言葉を紡ぐ

窓からふわり、と何処かへいってしまう