コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
僕、冴内蒼空は…
一言で言うなら
取り柄がない。
そして二言以上で言うにしても やっぱり取り柄がない。
取り柄がないことが特徴… と言っても良い冴えない人間だ。
今までの学校生活でも 目立つようなことは 良くも悪くも何もないし、
それどころか成績だって中の下だ。
授業は真面目に受けている。
………つもり、なのだが。
気付くと別のことが頭の中を 占領してしまう。
それは僕にとって 生きがいと呼べるものだった。
何かというと
テレビの向こう… アイドルやアニメキャラが着ている 可愛い衣装を手作りすること。
…誤解しないでほしいのだが、 着る趣味はない。
自分で着る目的で 作っているわけではない。
僕にとっては、作ることが目的。
作ることに意味がある。
幼い頃から家で テレビを観て過ごすことが 好きだった。
僕はある日 アイドルグループが着ていた衣装に 釘付けになった。
あの日の感動を 今でも昨日のことのように覚えてる。
それから段々と服を作るようになった。
お小遣いもお年玉も、 手元にくるお金は全て制作費にした。
おかげで僕の部屋の押し入れには 着る宛のない服たちが 眠るはめになったわけだけど…
服が形になる達成感を前に 手を止めることなんかできない。
冴内蒼空
その達成感をさらに何倍にも 膨れ上がらせてくれているのがこの子 可愛シエル。