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僕たちはそれからも話をした。

僕の妹はこんなんだとか、どんな本が好きだとか、たわいもない話だけど楽しかった

すると結衣のお腹がなった 顔が赤く染まっている

結衣

そういえばお昼ご飯食べてないね

翔洋

そっか、もうそんな時間か

結衣

翔洋君は家に帰らないの?

なぜかドキッとした

翔洋

う、うんなんか帰りたくなくて

結衣

じゃあ家くる?
さっきの本の続きもあるし

翔洋

え、いいの?

結衣

翔洋くんがよかったらだけど…
お兄ちゃんいるかもしれないし

翔洋

じゃあ、行きます。

結衣

わかったじゃあ行こ

そう言って僕たちは家に向かって歩き出した

爽やかな風が顔に当たる

爽やかだけど…なんか変? 風景がいつもと少し違う気がする

それに昼間とはいえ 人通りが少なすぎないか?

なんて考えていると急に後ろから気持ちの悪い視線を浴びた

ゾクッ

心を見透かされているような視線だ、 思わず早足になる

振り返っても誰もいないはずなのに、心臓がぎゅっと掴まれる感覚。 あの視線がただの気のせいじゃないことを、本能が告げている気がした

幸いなことに家はそれほど遠くなかった

結衣

ここだよ

ここら辺はあんまり通らないけど こんな家あったっけ?

古びた木の扉に、見覚えのない表札が掛かっている。 少しもやがかかったような空気の中、その家だけが妙に浮いて見えた

結衣

ただいまー

翔洋

お邪魔します

結衣

あ、お兄ちゃんいない

少しホッとした

結衣

私ご飯食べるけどいる?

お腹は空いていたはずだけど いつのまにか食欲がなくなっていた

翔洋

いや、僕はいいよ

結衣

本当に何も食べなくていいの?

疑わしそうな目で見てきた

翔洋

そ、それよりさっきの本の続きが読みたいな!

とっさに話を逸らした

結衣

わかった、じゃあ上からとってくるから待ってて

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