恐怖症シリーズ

生き埋め恐怖症

東日本大震災で、俺は死にそうになったことがある。

運良く助けられ、そのトラウマから生き埋めされることが怖くなった。

宮城県は被害が多かったため、同級生はもちろん、親戚の人や、仲が良かった人達にも被害があった。

トラウマのせいで喋れなくなった。

でもそんな俺にも恋人ができた。

迷惑はかけるし、いつも助けてばっかだけど大好きな恋人だ。

ｷﾞｭｯ

飛雄だけは大好きでいられる。

飛雄には話してる。

東日本大震災で何があったのか。

そのせいで喋れないこと。生き埋めにされることが怖くなったこと、全て。

喋れないけどこの時間が俺にとって大好きだ。

飛雄が違うクラスなためかいつもは大人しいいじめっ子達は俺をいじめてくる。

正直、辛い。

でもいつも飛雄が助けてくれるから楽だ。

危ない。あの人たちが殺されるところだった。

飛雄は俺の母さんみたいだ。

いつも気にかけてくれる。

でも嬉しい。

楽しい！

今日は影山は用事があり、一緒に居れてない。

会おうとするたびに用事のところへ行ってしまう。

嫌だ。生き埋めだけは、いや。

やめ、て。

やだ、、ｯ、。

生き埋めで殺されたくない。

あんな目には、、もうなりたくない。

苦しい。

苦しい。

くるしい。

しぬ。

しぬしぬ。

なんで俺だけ。

ぃや、、俺が運良く生き残って、、。

他の人たちが、生きてれば、、ｯ(泣)

なんで俺が生きたんだよ。

なんで俺だけ残るんだよ。

なんで、俺は死んでないんだ。

俺なんか、死ねばよかったのに。

しにたい。

ｶﾞｼｯ

ﾄﾞｶｯ

ぁ、、俺が死ねばよかったのにな、、、、。

なんでぉれなんだよ、、。

なんで、ｯ(泣)

ごめ、なさぃ、、。

みん、な、、、呑気に、生きてて、ごめ、なさぃ、、ｯ(泣)

ﾄﾞｶｯ

なんで俺を助けるんだよ。

みんな、俺が死ねばいいと思ってるくせに。

心の中では死んどけって思ってるくせに。

飛雄も、みんなも。

俺なんか、助けないでよ、、。

死にたくなくなるじゃん、、か、ｯ(泣)

ﾄﾞｶｯ

ﾄﾞｻｯ

な、、で、ぉれ、なん、だよ、、ｯ(泣)

ﾊﾟﾁｯ

ここ、どこだろう。

なんだ俺、こんなところに。

飛雄、、なんでやつれてる、の、、？

なにが、あった、の？

わかん、なぃよ。

ねぇ、、なにがあ、ったの、、？

ぁ、、声出ないんだった。

喋っても無駄じゃん。

俺なんかと会話できない。

ﾌｲｯ

避けてるんじゃないよ。怖いんだ。

なんで、、ぉれ、にそんなこと、いぅんだよ、ｯ(泣)

『殺すって言われたの。俺が気に食わないから。いつもは悪口だけで何もしてこなかったのに、その日だけ殺すって言われて。話せないのも、おかしいって。なんで俺なの？なんで俺が生きたの？俺なんか、死ねばよかったのに。生きてても何も得ないじゃん。俺の何がいいの？俺は、あの時死んでなきゃいけなかったんだよね。飛雄もみんなも俺のこと死んで欲しいって思ってるんだよね。なんで助けたの？なんで？助けて欲しいなんて言ってない。』

『しにたくない。ころされたくない。いきたい。こわい。くるしい。とびお。とびお。とびお。』

なんでこんな時に声出ないんだよ。

弱いなぁ、、俺。

飛雄がこんなに助けてくれてるのに俺は何も出来ない。

最低なのは俺のほうだ。

なんで、、ぉれは、ｯ(泣)

ｷﾞｭｯ

その時の俺は【あいあと】しか言えなかった。

感謝、、しかない。

後は、、ごめんね、、かな。

ちょっとずつ体調が戻っていき、声もちょっとずつ出せるようになった。

発音練習もし、ちょっとの発音はできるようになった。

声がちゃんと出るようになったらもう1回言うんだ。

【ありがとう】【ごめんね】って。

ｷﾞｭｯ

ねぇ、飛雄。

ごめんね。そして、ありがとう。

ありがとう。飛雄。

俺は楽しいよ。こんな生活が出来るのは全部飛雄のおかげだね。

嬉しい。本当にありがとう。