蓮央
あぁあ、蓮香…ちょっとお話ししようよ。

蓮香
え…?

急の提案に瞳孔が開く。びっくりした様子で声が漏れた蓮香。
竜胆
今長話したらここ崩れて俺らもお前もぺちゃんこだろ。

蓮央
ふ、それはそれでいいんじゃない?

蓮央は目を細め軽く流す。まるで命をただの一枚の紙のように…
竜胆
は?

蓮香
そういう奴だよあいつは。

蓮香
昔からそうだった。あんたはおかしい。

蓮央
おかしい?

蓮香
命を知らない。いや、知れない。普通の人と考えが違うんだよ。

蓮央
いや、確かにそうかもだけどほら、蓮香だってそうじゃん、しかもその横にいる男だって何十人も何百人も殺してる反社会的世界の梵天の幹部。

蓮香
違う…そうじゃない、

蓮央
は?なら何だよ。

蓮香
限度ってものがある。人だから1人や2人守りたい人がいるし、今いなくてもその存在を許す心がある。

蓮香
でも貴方は…自分の命も知らない。

蓮央
____。ねぇ、蓮k

蓮香
名前を呼ばないで!!私のことを殺したくて殺したくてたまらない人に名を呼んでほしくない!!

気が狂ったかのように怒鳴り胸を抑える。今までの気持ちを全て吐きさるように。
蓮央
ぁ…確かに、ねww

蓮香
何のために生きてんの、貴方はただのボスのお人形みたい。心が無いただのお人形だよ。

蓮香
口ばっか。全てが空っぽ。私に言ってきた言葉全て透き通っててまるでガラスみたい。胡散臭いんだよ、

蓮央
言うようになったね。今まで自分の気持ちこんなに言ったことなかったのに。

蓮香
確かにね。もう呪縛から解き離れたから。私が信じてたお父様はもう敵だよ。だから隠さない。弱い自分で、利用されやすい自分でいない。そんな私は今日で最後。

蓮央
そっか、じゃあ本気で殺してみてごらん、

蓮央は右手に遥希、左手にしゅうとを手に持ち自分の高さまで持ってきた。
蓮香
何してるの、

蓮央
はい、これこれで打たないと俺まで届かないから。

そう言った彼は彼女にスナイパーを投げ少し遠い蓮香の下まで届いた。落ちた音は凄まじく重く、内蔵に響く。
蓮央
どっちかを撃って、弟かこの裏切り者。

蓮香
裏切り者?

蓮央
しゅうとね、

蓮香
…無理。

蓮央
じゃあその彼にやってもらう?相談話だけど、

蓮香
何で、何でよ。何で私から何もかも奪うの…何故!!

蓮央
____命令だから。

蓮香
やっぱそうかお人形さん。

竜胆
ま、待て。さっきから聞いてたけどまずお前のそのボスの目的は何だよ

蓮香
え?

竜胆
いや、これじゃあ俺ら2人生き延びたままだし死ぬのはあいつと…てか言っちゃ悪りぃけどお前は絶対弟を選ぶ。

竜胆
オーヴァルの梵天撲滅と蓮香、遥希殺害は何も達成されねぇじゃん。

蓮香
…そんなこと考えててもしょうがない。でしょ、

竜胆
まじかよ、

蓮央
ほーら

しゅうと
う”っ…いだっ何だよ!何だよごれ”ぐっ

蓮香
ぁ…ごめん。しゅうと、私は貴方を選ぶことはできなかった。

しゅうと
ぐっそ”ぉおきたしゅ、ひゅ”んかんこ”れがよぉ

蓮央
う”、あ”ぁー血が止まんね

蓮央
今のうち、抜け出そ…?

蓮央
は”ぁ?

蓮香
え、え。何、

蓮央
あ”ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ何だよ!!何だよ”ごれぇぇぇぇぇぇ

目では判別できない物体が存在し身体中の毛が逆立つ。
竜胆
は?何あれ

1人…いや、正確に言えば一匹なのか、2人の目に映ったのは____。
蓮香
ゾ、ンビ?

体が緑なことはない。顔が溶けているわけではない。変に声を漏らしているわけではない。だが、
蓮央の左腕をがぶりと噛み、力強く引っ張り皮と筋肉が剥がれる。
その音は凄まじく胃酸が逆流しそうだった。
しゅうと
何でここにいんだ、よ…おま、え

蓮香
ちょ、竜胆。あれ何か知ってる?

竜胆
いや知ってたらこんなとこにあいついねぇって。しかも非現実的すぎるだろ

蓮香
ど、どういうこと?

蓮香
は?銃声?

竜胆
誰だよまじ。

竜胆
こっわ。怖すぎだろ。

蓮香
まーじで嫌!!

蓮香
って、遥希!!

竜胆
いや、遅くね?

この後、蓮香は弟の元へ行き無事を目で確認した。何故だかチューブなどは全て壊れていなく絡まってもいなかったため大事には至らなかった。少しでも外れてたら…と思うとゾワっとくる。
しゅうとと蓮央。2人はその2人の死を見届け、安否を再確認する。
???
始末完了っと
