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和やかな雰囲気だったはずの昼休みの屋上。バシンッ!!という中々豪快な音と共に、俺の頬に鋭い痛みが走る。

涼真

ちょ…ッ、はぁ??!!

拓海

子供扱いすんな!!お前なんか大嫌いだっ!

涼真

ンだよ、お前!

涼真

それが人にものを頼む時の態度かよ!

拓海

そもそも頼んでねーし!

拓海

このお節介ヤローがッ!!

拓海

二度と来んな!

バタンッと俺の鼻先で屋上のドアが閉まる

涼真

はぁ…?なんなんだよ、あいつ…

涼真

怒りてーのはこっちだっつーの

俺、柴崎涼真(しばさきりょうま)と、先ほど俺の鼻先でドアを閉めやがった男、小坂拓海(こさかたくみ)は幼稚園からの幼なじみである。

昔は俺を兄のように慕ってくれて、とても可愛いヤツだった

だが、今はどうだ?あの生意気っぷりは。

涼真

(ふつー弁当に入ってた苦手なもの、食おうか?って言われたくらいでキレるかよ)

涼真

(むしろ感謝するとこだろ)

涼真

あーぁ゛意味わかんね〜

涼真

俺の天使、拓海は何処へ行ってしまったんだっ!!

さっき拓海に平手打ちされて痛む頬を押さえながら、俺はコンクリの床に寝転ぶ。

三好

お、りょーちんどした??

三好

ずいぶんとお悩みのご様子で

涼真

お〜三好ぃー

涼真

助けてくれよ

このニコニコといかにも軽薄そうな笑みを浮かべたチャラ男風の男、(いや実際チャラ男だが)はクラスメイトの三好樹(みよしいつき)。

彼女をとっかえひっかえしているとか、社会人の彼女がいるとか、とにかく色恋の噂が絶えない男。しかもヨーロッパ系のクォーターで顔も良いときている。

涼真

(拓海に付きっきりかつ、万年非モテ男の俺とは大違いだ。トホホ…)

三好

もしかしてさ〜拓海ちゃんのこと?

涼真

(図星)……何で分かんだよ…

三好

だってりょーちんと言えば拓海ちゃんじゃん

涼真

………そこまで俺、拓海LOVEに見えますかね?

三好

うん(キッパリ)

涼真

マジかよ…

三好

だってさぁ〜なんだかんだ言っていつも拓海ちゃんのこと気にかけてるじゃん?

三好

もはや保護者

涼真

(図星)…………

三好

ほら、何があったのか話してよ?君たちの話面白いし

涼真

……俺が

三好

りょーちんが?

涼真

拓海の嫌いなおかずがあいつの弁当に入ってて、めちゃくちゃ嫌そうにしてたから、俺が食ってやるよ!って…

三好

そしたら?

涼真

見ての通りビンタされました

俺はきっと赤く腫れているであろう左の頬を三好に見せつける

三好

うわ…結構強めにきたね、コレは

三好

痛そ

涼真

だろ?!

同情するように俺を見つめる三好に、俺は首がもげるんじゃないかレベルの勢いで首を縦に振る。

涼真

いい加減俺のメンタル持たねぇよ…

三好

うーん、なるほどね~

三好は何やら意味ありげに微笑んむ

涼真

何だよ、?

俺が若干不安になっていると、三好は何やらスラックスのポケットをもぞもぞと探り始めた。

涼真

三好…?

涼真

何やってんの?

三好

ねぇ、りょーちん

三好

拓海ちゃんの本当の気持ち、知りたくない?

そう言って三好がポケットから取り出したのは、何やら禍々しい色の小瓶だった。

ツンデレ幼なじみのホンネが甘すぎる!!

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