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nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 暴力表現過多⚠️ 流血表現注意⚠️ 年齢操作注意⚠️ 兄弟パロ注意⚠️ 関東組虐められ注意⚠️
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第4話 遅すぎた帰り道
夕暮れの校舎。
ほとんどの生徒が帰った後、屋上の扉は無理やりこじ開けられていた。
冷たい風が吹き抜ける空の下で、らんは壁際に押し付けられていた。
数人の影が笑い声を上げる。
声に含まれた嘲りが、じわりと胸に突き刺さる。
らんは歯を食いしばり、視線を落とすしかなかった。
ポケットから銀色のものが取り出される。
刃先に夕日が反射して、一瞬だけ目を刺した。
らん
ざらりとした声。
次の瞬間、腕に冷たい感触が走った。
鋭い痛みが遅れて押し寄せ、呼吸が乱れる。
血の匂いが風に混じった。
笑い声が響く。
らんは顔を上げられず、ただ唇を噛みしめた。
──俺が耐えればいい
弟たちには、知られちゃいけない
そう心で繰り返しながら、痛みに耐え続けた。
その頃、家では。
低く響く父の声。
リビングに座らされていたなつとすちは、びくりと体を震わせた。
なつ
なつが震える声で答える。
机の上の茶碗が弾かれ、床に砕け散った。
ガラス片のように散った白い破片に、すちが思わず悲鳴を上げる。
なつ
なつは涙をこらえきれず、父に縋りついた。
しかし、叫びは冷たい怒声にかき消される。
空気が重く沈む。
恐怖が喉を塞ぎ、声が出せない。
すち
すちの視界は涙で滲み、兄の姿を探すように玄関を見つめていた。
遅れて帰宅したらんが、家の前に立ったのはその直後だった。
玄関の扉を開けた瞬間、耳に飛び込んできたのは弟たちの泣き声。
頭が真っ白になった。
らん
声が裏返る。
リビングに飛び込んだらんの視界には、怯え切った弟たちと、振り返る父の影があった。
痛む腕を庇う余裕もなく、らんは父の前に立ちはだかった。
らん
らん
鋭い視線がらんを射抜く。
その瞬間、空気がさらに凍りついた。
拳が振り上げられる。
衝撃が身体に走る。
呼吸が止まり、視界がぐらりと揺れる。
らん
背後から「兄ちゃん!」と泣き叫ぶ声。
必死に腕を広げ、弟たちを背に庇いながら、らんは掠れた声で吐き出した。
らん
その言葉は、崩れかけた体と一緒に床へ落ちていった。
夜。
三人並んで布団に横たわる。
なつもすちも涙で顔を濡らし、声を殺していた。
らんの腕には白い布が巻かれている。
痛みは熱となってじわじわと広がっていたが、らんは笑みを作った。
らん
らん
その言葉に、弟たちは泣きながら首を振った。
すち
けれどらんは答えない。
ただ小さな背中を撫で続けた。
暗闇の中、震える声が静かに漏れた。
らん
らん
誰にも届かないその呟きは、夜の底に沈んでいった。
第4話・了
主
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡50
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