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君が僕を忘れても僕は君を忘れない
斗愛の心情
忘れても、また出会えばいい。
そのたびに、俺は何度でも君を好きになる。
淡い光が差し込む、春の午後
まだ桜が枝に残っていて、風が吹くたびに花びらが空を舞った。
その景色の中で、星乃蓮斗はただ、立ち尽くしていた。
目の前にいるのは、 笑顔で「大丈夫」と口パクをする少年——
萩野斗愛
その笑顔のまま、彼は蓮斗を突き飛ばし、 次の瞬間、鋭い音が世界を裂いた。
「……斗愛……?」
花びらが散る音が、あまりにも静かだった
名前を呼ぶ声は、空に溶けて消える
どうして動かないの?
ねぇ、斗愛——
涙も、言葉も出ない。
時間が止まったような静寂の中で、 蓮斗の世界から“色”が消えていった
それが、すべての始まり
そして、すべての終わりでもあった
けれど——これは終わりではない
たとえ記憶を失っても、
たとえ名前さえ思い出せなくても、
この胸の奥に刻まれた想いだけは、決して消えない
蓮斗__
俺は何度記憶を失おうとお前を愛す
生涯をかけて誓おう
——これは、記憶を失った“俺”と、 それでも信じ続けた“君”の物語