かげよこ

想いを口にした

目を逸らさないように

さらに力を入れる

この世界に2人きりになったみたいに

頭のなかが影山くんでいっぱいになる

時間がいつもより遅く進んでるような感覚になった

目を逸らさないようにするけど

先に目を逸らしたのは影山くんだった

手元を見つめるように俯く影山くんから放たれた言葉は

俺をさらに緊張させた

ここまできたんだから

ちゃんと…

言おう

声が少し震えてしまったのは

寒さのせいにしたい

うつむき続ける影山くんを見ると

後悔しそうになったが

必死でその考えを止める

すると影山くんがようやくこっちに向いて目を合わせてくれた

あくまで予想通りの返事だった

ただそれを事実に変えられてしまっただけ

振り返るとかなり自分勝手だと感じた

想いを伝えたとして影山くんを混乱させてしまう

俺…

俺の恋は呆気なく散った

これが俺の恋の運命なんだ

翌日

あれから影山くんとは

今まで通りの関係で

という話になった

気にしなくていいからこれで終わりにするから

と言ったが、影山くんは

かなり動揺していた

それもそうだ

俺がされても多分同じ

きりかえて、

仕事をしていこう

いちを奏には

予想通りの結果でした

とだけ送っておいた

今日はダンスレッスンの日だ

挨拶して入るとそこには

2人がいた

影山くんが居なくて安心したと

少し思ってしまった自分が悔しい

振り返ると影山くんと目が合った

すぐ逸らされてしまったけど

影山くんはまだ引きずっているような顔だった

実際俺も引きずっているけど

無意識に影山くんと逆を口にしてしまった

実際は、そんなことない

影山くんに…

って

もう終わったんだから…

影山くんと…

また影山くんのこと考えて…

無意識に影山くんの方を見ると

一瞬目が合ってしまった…

いい加減慣れないと…

寝不足は嘘ではない

夜、影山くんのことを考えすぎて寝れなかった

ナチュラルに影山くんを入れてきたもってぃーに悪意はないんだろうけど

若干気まづくなった

笑いながら言ってくれた影山くんの顔を見ると

必死に感情を背けていそうな顔だった

影山くんは頑張って忘れようとしてんだから

俺も忘れないと

ダンスレッスンをしている時に限らず

撮影をしている時などは

想いを忘れて全力で仕事をする

というのを想いに気づいてから心がけている

振られた今もそう

何気、器用にやっているつもりだ

踊った映像を確認する

我ながらいきなりキラキラした目で見るから動揺してしまった

俺たちはお互いを高めあっていくメンバーであって

恋愛感情なんてあってはならない

でも…

この笑顔を見ていたい

は、わがままなんだろうよ

ただ小さく

恋をしていたい