愛の母
葵ちゃん、ごめんね
愛の母
引き止めちゃって
葵
いえ……!
愛の母
愛からね
愛の母
自分が死んだら葵ちゃんに渡して欲しいって言われてたの
愛の母
…………これ…
葵
手紙…ですか
愛の母
えぇ、愛
愛の母
体を上手く動かせなくなって
愛の母
自分はもう長くないって感じて
愛の母
葵ちゃんと亮くんに手紙をかきたいから
愛の母
便箋買ってきてって私に笑顔で言ったの
愛の母
入院してから、愛の笑顔を見ることは無かったの
愛の母
でも、その時だけすごくいい笑顔で……
葵
そう……だったんですか…………
愛の母
愛は、いつも言ってた
愛の母
「葵は私の心友だ」って
愛の母
葵ちゃんの話をする時、
愛の母
絶対に笑顔でしかなかった
葵
…………っ
葵
(愛……っ)
愛の母
愛ちゃん、ありがとう
葵
………………っ
葵へ 葵……今までありがとう。 葵はいつだって私の味方をしてくれて 落ち込んでた時には励ましてくれた。 そんな葵に私は頼りすぎたのかもしれない。 ごめんね。 亮先輩のことすぐに言えなくてごめんね。 それと陽翔先輩のこともごめんね。 気づいてあげられなくて……。 葵は、私の大切な心友だよ! いつまでも…………ずっと。 陽翔先輩に幸せにしてもらってね。 上から見守っています。 ありがとう。 愛