ラウールside
"ひ...な...?"
自分1人のこの部屋でただ彼女の名前だけしか言えなかった。
"なん....で?"
彼女がいなくなったこの部屋で、
ひたすら泣いて、彼女の名前を呼ぶことしか出来なかった。
僕は結局彼女がいないと何もできないんだ。
姫奈side
あの日から1週間経った。
片付け終わった。
ラウールと別れ、
SNSのヲタ垢を全部消して、
グッズを全部有償で譲ってきた。
これで安心して年を越せる。
けど....今までのチケットとチェキだけは、
他人には譲れなかった。
チケットは記録。
チェキは思い出。
全部刻んで捨てようかと思ったけど
体が拒んだ。
「私はまだラウールのことが好きだったんだ。」
過去に撮影したチェキを観て涙が止まらないのは、
そういうことなんだろう。
ピコン
1個の着信。
ラウールの連絡先は消したのに....
あ
夜がきた。
私はただひたすら走り続けた。
あの1個の着信がきっかけで
ここまで自分の気持ちが変わるとは思わなかった。
"ラウール!!!!"
彼が振り返った。
"姫奈....??"
振り返った彼は泣いていた。
"ごめんねラウール"
"私1人で抱えすぎてた"
"ラウのこと「異性」として好きになることが怖かった"
"そうなの....?"
"ヲタ友を裏切ったり、推しの熱愛がバレたときのヲタクはとても怖いから"
"そうなんだ...."
少しの沈黙。
"僕リーダーから話聞いた"
"姫奈のこと何も分かってなかった"
"ごめんね"
"謝んなくていいんだよ"
"私ね、ラウールと付き合うのが怖かったのもあるけどね"
"ラウールに落ちてくことが怖かった"
"毎公演終演後に2人で会って落ちていくことが怖かった"
"このままだとラウから離れられなくなりそうで"
"俺に落ちて"
ラウール初の俺呼び。
"愛に落ちることを怖がらなくていい"
"俺から愛に落ちて。それで姫奈の愛で、"
"僕の心を溺れさせて"
その言葉に応えるかのように私はラウにキスをした。
"ラウの愛に落ちていい....?"
"うん....もちろん"
今宵、君に落ちていく。
END
コメント
7件
えなにすきですわ()
ラウちゃんに落ちてくと沼深いから怖い((お前は絶対ねえよ
泣くのに321付けられなかった泣いた(寝起きで感情移入)