テラーノベル
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主
主
主
主
主
主
主
リビングの壁に掛かっている時計が刻む「カチ、カチ」という秒針の音さえ 今の二人にはもう聞こえていなかった 世界は今、この数メートルのリビングの中に凝縮され 他の一切のノイズは雨音の向こう側へと消え去っていた おんりーが絞り出した「嫌われたら、もう隣にいられないと思った」 という震える声 その一言が、静かな部屋の空気に深く、重く沈み込んでいく その言葉が、彼がどれほどの夜を、一人で「最速」を追い求めながら、同時に「孤独」という影を背負って過ごしてきたのかを MENに痛いほど突きつけていた。
MENは、おんりーの頬に添えていた指先にゆっくりと力を込め 親指の腹で、彼の目尻から次々と溢れ出す涙を掬い取った 指先から伝わるおんりーの肌は、外の雨の冷たさを吸い込んで ひんやりとしていたが その奥にある鼓動の熱は、MENの指先を焦がすほどに熱かった
おおはらMEN
おおはらMEN
おおはらMEN
おおはらMEN
MENの声は、どこか自分自身への不甲斐なさを責めるような、 切実な響きを帯びていた おんりーはMENのシャツの胸元を握りしめたまま、 どうしても顔を上げることができない 視界が涙の膜で滲み、MENの着ているシャツの布地が、自分の涙で斑に濃い色へと変わっていくのを、呼吸を忘れたようにじっと見つめていた
おんりー
おんりー
おんりー
おんりー
おんりー
おんりー
おんりー
「相棒」という言葉は、二人を繋ぐ世界一強固な絆でありながら、 同時に一歩も先に進ませない残酷な境界線でもあった 画面の中でどれだけ鮮やかな連携を見せようと、 どれだけ視聴者を熱狂させるやり取りを繰り広げようと、 その裏側にある、喉が焼けるような独占欲や、自分だけを見てほしいという子供じみた恋慕は、プロとして、そして仲間として、 決して表に出してはいけない禁忌だと、自分を律し続けてきたのだ
おおはらMEN
おおはらMEN
おおはらMEN
おおはらMEN
おおはらMEN
自嘲気味に、少しだけ鼻を鳴らして笑うMEN その言葉に含まれた重すぎるほどの愛におんりーは弾かれたように顔を上げた 至近距離で、二人の視線が逃げ場を失い、強く絡み合う おんりーの濡れた瞳には、驚きと、信じられないという戸惑い、 そして隠しようのない純粋な期待が入り混じっていた
おおはらMEN
おおはらMEN
おおはらMEN
おおはらMEN
おおはらMEN
おおはらMEN
MENの手が、おんりーの頬からゆっくりと滑り、 彼の後頭部を慈しむように大きく包み込んだ おんりーはその手が自分を引き寄せるのを感じても、拒絶することはなかった むしろ、自分からMENの温もりを求めるように、わずかに体重を預けた それは、どんな言葉よりも深く、真っ直ぐな「答え」の証明だった
おおはらMEN
おおはらMEN
おおはらMEN
その真っ直ぐで、濁りのない告白 それはおんりーのこれまでの不安をすべて溶かし尽くし、 心臓の奥深くまで突き刺さった おんりーの喉が、言葉にならない感情を押し殺すようにくくりと震える
おんりー
おんりー
おんりー
おんりーの震える声に応えるように、ゆっくりと、磁石が惹かれ合うように 二人の距離が縮まっていく 互いの吐息が肌をかすめ、混ざり合う 鼻先がかすかに触れ合い、おんりーは耐えきれず、ギュッと強く目を閉じた 長いまつ毛が細かく震え、全身の感覚が、MENと接触している指先や頬の一点へと、研ぎ澄まされるように集中していく
──そして、ついに二人の唇が、羽が触れるような静けさで重なった
それは、今までのどんな高難易度のゲームをクリアした瞬間よりも 自己ベストを更新した時よりも、おんりーにとっては価値のある 人生で最も確かな感触だった 柔らかく、驚くほど温かい。雨に打たれた夜の冷たさを 一瞬で過去のものにするほどの熱量 MENの腕がおんりーの細い腰に回され、壊さないように、けれど決して離さないという強い意志を込めて引き寄せられる おんりーもまた、必死にMENの首に腕を回し、そのシャツを指が白くなるほどに掴んだ
重なり合うのは唇だけでなく、数えきれないほどの時間の中で積み上げてきた信頼、押し殺してきた恋心、 ──そして、これから共に歩んでいくという、無言の約束 オンラインという無限の世界を彷徨ってきた二人の「座標」が、 現実という狭い部屋の中で、寸分の狂いもなく一致した瞬間だった
どれほどの時間が流れたのか、二人には分からなかった わずかに唇が離れた時、見つめ合う二人の瞳には 先ほどまでの悲痛な色は消え、代わりに潤んだような、 熱烈な光が灯っていた。
おんりー
おおはらMEN
お互いの照れ隠しのような、いつもの軽口がこぼれる でも、その声はどこまでも優しく、甘い。 ふっと二人の間に自然な笑みが広がった それは、カメラの前で見せる「おんりー」と「おおはらMEN」という完璧な仮面を脱ぎ捨てた、ただの恋人同士になった二人が、 初めて交わした心からの笑顔だった。
窓を叩く雨の音は、もう二人を隔てる壁ではなく、この幸せな沈黙を守るための、穏やかな子守唄のように響いていた
主
主
おんりー
主
主
主
おおはらMEN
コメント
4件
うわ、最高 「座標」とかエモすぎて、、
え、語彙力爆発してるじゃないですか(?)(いい意味 次回完結!?嬉しいような嬉しくないような…! でも次回作でるならいいかも…!