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獣たちと契約せし日
5話:主の均衡
朝の光が薄く差し込んでいた。
真琴は目を開ける。
すぐ隣に、白い髪。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
ユイが目を覚ます。
ユイ・ラビエル
ほんのわずかに声が揺れる。
視線が合う。
ユイがすぐに視線を逸らす。
頬がうっすら赤い。
けれど真琴は気づかない。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
のんびりとした声。
そのやり取りを、少し離れた場所から レンが静かに眺めていた。
何も言わず、口元だけがわずかに上がる。
窓際ではレオが外を見ている。
部屋の端では、ノアがまだ眠っていた。
規則正しい呼吸だけが静かに響く。
いつも通りの朝。
ただ、昨日より少しだけ距離が近い。
昼の市場は人で溢れていた。
先頭を歩くのはレオ。
視線は常に前方。
真琴の右隣にユイ。
左にレン。
後方にノア。
自然と囲まれている。
ユイ・ラビエル
ユイが布を当てる。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
素直に言うと、レンが穏やかに口を開く。
レン・フォクシア
レン・フォクシア
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
よくわからないまま、頷いた、
そのとき。
運び屋
怒声。
振り向くと、大きな荷車が迫っていた。
木箱を積んだ運び屋が人並みを割って進んでくる。
人ごみに流され、横から強く押される。
足がもつれる。
四人との距離が、一瞬、開いた。
その瞬間。
胸の奥が、鋭く抉られた。
息が止まる。
契約による距離制限。
離れすぎれば罰のように痛む。
心臓を握りつぶされるような感覚になる。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
視界が揺れる。
次の瞬間、腕を強く掴まれた。
ノアだ。
何も言わず、力づくで引き寄せる。
体が浮き、背中に硬い胸板がぶつかる。
痛みがすっと引いていく。
荷車が通り過ぎる。
ノアはゆっくりと手を離した。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
まだ息が浅い。
ノアは短く頷くだけ。
夜
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
真琴は横になって、天井を見ながら呟く。
ユイ・ラビエル
真琴の隣にユイが寝転がる。
真琴の意識がゆっくり沈んでいく。
ユイ・ラビエル
そういって、ユイも目をつぶる
魔灯が灯る
レンが火をつけた。
レン・フォクシア
レン・フォクシア
レオは腕を組み、あぐらをかきながら壁にもたれている。
レオ・ティグリス
レン・フォクシア
レオは静かに口を開く。
レオ・ティグリス
ノアは黙っている。
レン・フォクシア
短い沈黙。
ノア・ベアルド
レン・フォクシア
ノア・ベアルド
レンが小さく頷く。
レン・フォクシア
レン・フォクシア
レン・フォクシア
レオが鼻で息を鳴らす。
レオ・ティグリス
レオ・ティグリス
レン・フォクシア
ノアも静かに頷いた。
やがて魔灯が消える。
部屋は闇に戻る。
翌朝
まだ薄暗い時間。
五人は眠っている。
玄関に、一通の黒い封筒が落ちていた。
誰も、まだ気づいていない。