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みゆ
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二次創作です 🌈🕒️より 👻🔪さんと🐙🌟さんです 腐要素なし ※本作は、実在の人物・団体とは関係のない創作です。 伏字なし
雨の日は、音が多い。 窓を叩く音。 遠くを走る車の音。 空調のかすかな唸り声。 誰かが廊下を歩く音。 そして、それらすべての隙間に入り込む、自分の呼吸の音。 俺は、そういう日が嫌いではなかった。 何かを話さなくても、世界のほうが勝手に喋ってくれるからだ。
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収録を終えたスタジオの隅で、俺が窓の外を見ていると、背後から声がした。 振り返らなくても誰かはわかる。
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そう言うと、小柳くんは小さく息を吐いた。 笑ったのか、呆れたのかはわからない。たぶん、そのどちらもだった。
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即答だった。 けれど小柳くんは、俺の隣まで歩いてきた。 窓の向こうでは、街の灯りが雨に滲んでいた。赤信号も、コンビニの看板も、ビルの明かりも、 まるで水の中から見ているみたいにぼやけている。 綺麗だと思った。 綺麗なものは、いつだって少し遠い。 手を伸ばしたら届きそうで、けれど触れた瞬間には形を失ってしまう。
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小柳くんが言った
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口にしてから、少しだけ後悔した。 冗談のつもりだった。 軽く笑って流すつもりだった。 でも小柳くんは笑わなかった。 しばらく雨の音だけが続いた。
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その言葉は、思ったよりまっすぐだった。 だから俺は、ふざけて返すことができなかった。
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窓に映った自分の顔は、笑っているようにも、泣きそうにも見えた。 俺はよく、自分が何を考えているのかわからなくなる。 楽しいときにも笑うし、悲しいときにも笑う。 困ったときにも笑うし、誰かを安心させたいときにも笑う。 笑顔は便利だった。 何を隠していても、表面だけはそれらしく整えてくれる。 けれど、小柳くんは時々、その表面を簡単に見抜く。
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窓の外を見たまま言った。
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雨の音が強くなった。 まるで、俺の言葉を隠そうとしてくれているみたいだった。
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小柳くんは、しばらく黙っていた。 励ましの言葉を探しているのかもしれない。 でも、俺は別に励ましてほしかったわけじゃなかった。 ただ、誰かに聞いてほしかった。 自分の中で形にならないまま沈んでいたものを、少しだけ外に出したかった。
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小柳くんは窓の外を見ていた。 彼の横顔は、普段より少しだけ幼く見えた。
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その言葉が、胸の奥に残った。 できるから続けるのではなく、できないから続ける。 届かないから手を伸ばす。 暗いから、灯りを探す。 そんなふうにして、俺たちはここまで来たのだろうか。
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小柳くんは、照れた様子もなく言った。 だから余計に、胸が痛くなった。
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どうにかして言葉を探した。 うまく言える自信はなかった。 それでも、言わなければならない気がした。
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小柳くんが黙った。 俺も黙った。 雨はまだ止まなかった。 けれど、その夜の雨は、もう一人で聞いている音ではなかった。
コメント
1件
「雨の音が、二人だけの時間を包み込んでいて、すごく好きな空間でした。特に『見てる』っていう小柳くんの一言が、飾り気なくて、逆に胸に刺さるんですよね。星導さんが『生きていけるだけの毎日』って言ったのも、本当の気持ちで、その言葉を聞けたからこそ、この夜の雨は特別なものになったんだなって思いました。続きがすごく気になります。」