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コメント
5件
うわ〜っ…!! もうセンスが光ってる!(?) 続き待ってます!
タイトルからして最高だよね
初めて聞いた名前
死の間際に考える程
この男にとって大切な人なのだろう
硬直してしまった俺は唯頷く事しか出来なかった
紫色の瞳から光が消えた時
黒川イザナは空へと旅立った
人間の最後というのは雪が溶ける様に呆気なく
そして冷たかった
遠くからサイレンが聴こえる
この場を仕切れるのは俺しかいない
喉に詰まる言葉を懸命に発した
後日話を聞けば
あの場は天竺幹部が残ったらしい
案の定豚箱行きになった様だが..
最近は凄く眠れない
こうして深夜に外へ出ることも増えた
月の形は変わらないというのに
景色が違って見えるのは自分の成長だろうか?
漣が心地良い
夜の海は決して静かな訳では無かった
今日は何だか何時もと違う
浜辺に漂流された木樹に腰を掛け 鏡のような海に映された満月を見ながら
一人の少女が唄声を上げていた
人魚の唄声とはこの事だろう..と思うように
夜の海が彼女の唄声を聞いている
自然のコンサ ー ト
雪のように白い肌 腰まで伸びた黒髪
一瞬で目を奪われてしまった
そして気づいたら立ち竦んでいた
彼女は唄声を止めるとゆっくり此方を見た
消えてしまいそうな程儚い笑顔を向けた