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キミと過ごしたあの日

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キミと過ごしたあの日

6 - キミと過ごしたあの日

♥

12

2020年05月09日

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四葉

やめなよ!

我慢できなくて、気づいたら叫んでた。

教室中に怒声が響いて、みんながシンとする。

そんなことどうでもいい!

四葉

拓海は、何かはわからないけど
悩んでるんだよ!

四葉

自分と闘ってるんだよ!

四葉

なのに、何も知らずに勝手なこと言って·····

四葉

ひどいよ·····!

四葉

(ふいに涙が込み上げてきそうになる)

四葉

(我慢しなくちゃ·····)

四葉

(1番泣きたいのは、拓海なんだから!)

愛菜

よ、四葉·····

男子達

ご、ごめんて

男子達

四葉·····ごめん

男子達

わかったから、そんな怒るなよ·····

みんなが言いすぎたと反省している様子·····。

でも、私の気持ちは晴れない。

四葉

(拓海のこと、こんな風に思っていたなんて·····)

キーンコーンカーンコーン

重い空気の中、予鈴は変わらず鳴り響く。

放課後

HR前

隣のクラスの男子達

6組何しょげてんの?

6組の前を通った隣のクラスの男子3人の話が6組教室に響いた。

隣のクラスの男子達

拓海のことだってよ

隣のクラスの男子達

拓海ってあの?

女子達

あの?

四葉

·····??

隣のクラスの男子達

え、知らねぇの?

男子達

なんだよ言えよ

隣のクラスの男子達

俺ら、あいつと同じ中学だったんだけどさ

隣のクラスの男子達

喧嘩ばっかりしてたわけ

女子達

あんたが?

隣のクラスの男子達

馬鹿、ちげーよ

隣のクラスの男子達

拓海だよ。

四葉

え·····

愛菜

え·····

男子達

え·····

女子達

え·····

愛菜

じょ、冗談でしょ?

女子達

拓海が、そんなことするわけないじゃん

男子達

あいつ、痩せ型だし、

男子達

喧嘩できるようなやつじゃないよ

四葉

·····

隣のクラスの男子達

それが·····マジなんだよ

四葉

冗談やめてよ·····!

隣のクラスの男子達

四葉

あの、拓海だよ?

四葉

そんなわけないじゃん

四葉

友達がたくさんいて·····みんなと仲良くて·····

口元が震えて話しづらい·····。

四葉

人の事傷つけたりしない·····

四葉

あんな優しい拓海が·····!

隣のクラスの男子達

優しい·····?

隣のクラスの男子達

あいつは、優しくねぇよ

隣のクラスの男子達

こいつの言う通りだよ。優しくねーし、
人を大切にするだなんて、ありえない

四葉

(嘘·····嘘·····こんなの嘘!)

隣のクラスの男子達

·····これ、中学の時の拓海·····

隣のクラスの男子達

あんま、見せたらダメなんだろうけど·····

隣のクラスの男子の1人がスマホを操作する。

隣のクラスの男子達

ほら、これが·····拓海·····

隣のクラスの男子達

四葉

·····!?

愛菜

?!

男子達

え·····コレが?

女子達

あり、ありえないよ·····

隣のクラスの男子達

茶髪の方が拓海で·····

隣のクラスの男子達

黒髪は·····先輩

隣のクラスの男子達

これ、拓海が中二の終わりくらいの頃

四葉

(これが·····拓海·····?)

四葉

(この人達は嘘をついてるような顔には
見えないけど、現実を受け入れられない·····)

愛菜

あんた達も拓海の被害者ってわけ?

隣のクラスの男子達

いや·····俺たちは·····

四葉

··········

女子達

なに?

隣のクラスの男子達

本当は、拓海と仲良くしてたんだけど、

隣のクラスの男子達

この頃くらいから、拓海の
乱暴さについていけなくて、

隣のクラスの男子達

拓海と·····離れるようになって·····

男子達

それで、拓海の乱暴さは、おさまったのか?

隣のクラスの男子達

隣のクラスの男子達

·····いや、おさまるどころか、
激しくなった·····

隣のクラスの男子達

多分俺らの事で·····

シ·····ン··········

誰も何も言えなくなった。

私は突然の話に腰を抜かして、立てなくなってしまった。

愛菜

ぁ·····四葉·····

隣のクラスの男子達

──っとにかくっ!

隣のクラスの男子達

あいつと関わるのは、もうっ──!

逃げるように教室を出ていこうとしたその時·····

隣のクラスの男子達

う、うわぁ!

隣のクラスの男子達

ひっ!

教室前の廊下にいたのは·····!

女子達

あ·····

男子達

·····た·····

隣のクラスの男子達

拓海·····!

朝見た私服姿のままの拓海がいた。

無言で教室に入ってくる。

誰とも目を合わせずに·····。

でも、真っ直ぐに私のところへやってきた。

暗い顔のまま、私のペンポーチを あさってペンを取り出す。

男子達

あ、そのペンは、四葉の·····!

ギロリ

男子達

·····ぁ·····

ガタンッ

拓海の鋭い睨みで尻もちをついた。

私のペンで、縦長の封筒の中の紙に何かを書いて渡してきた。

四葉

·····??

受け取ると、表情一つ変えずに 1度私を見てから、帰っていく。

渡され封筒には、こう書いてあった。

四葉へ

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