凪菜
どう、いうこと?
ハルくん
実は僕、体が弱くて病院に入退院を繰り返してたんだ
ハルくん
だけど僕はそんな弱い自分が嫌で病院から逃げ出そうとしたんだ…
ハルくん
だけどその途中、転んで怪我をしたんだ。でも、誰も助けてくれなくてどうしようって思ってた時にお姉さんが来てくれたんだ
凪菜
……
ハルくん
僕に大丈夫って聞いて、すぐに近くの水道で濡らしたハンカチで傷を消毒して手当してくれたんだ
凪菜
そんな事覚えてくれてた……
ハルくん
お姉さんにとってはそんな事かもしれないけど僕にとって凄く嬉しい事だったんだ
凪菜
でも、なんで人の顔を覚えられないのを知ってたの?
ハルくん
僕はその後病院でよくお姉さんを見かけたから沢山話し掛けたんだ
凪菜
でも、私
ハルくん
うん、お姉さんは僕の事を覚えてなかった。お姉さん、最初は困ってたのにだんだん沢山話してくれるようになったから……
ハルくん
嬉しかった
ハルくん
だから、お姉さんを守ろうって決めたんだ。そのためにたくさん勉強してお姉さんと同じ仕事をして…
凪菜
どうやって…?
ハルくん
お姉さんにメールが来たでしょ、探偵事務所の
凪菜
うん
ハルくん
それは僕がお姉さんを守れるように送ったんだ
ハルくん
それなのに……
ハルくん
守れなかった
凪菜
……
凪菜
そんな事、ない、よ
凪菜
私の秘密を言える人が職場にいて嬉しかった
凪菜
だから、落ち込まないで
ハルくん
ありがとう
ハルくん
この言葉をずっと言いたかった
凪菜
どういたしまして
凪菜
でも、私今のハルくんが好きだよ
ハルくん
……
凪菜
も、もちろん人としてだよっ!
ハルくん
あんまりいろんな人に好きとか言っちゃダメだよ
凪菜
わ、分かってるよ!
凪菜
もうこんな時間だから帰るね
ハルくん
うん
ハルくん
おやすみなさい
凪菜
おやすみ
次の日
凪菜
おはようございます!
凪菜
あと、昨日はすみませんでした!!
玲央
おはよう、大丈夫だった凪ちゃん?
凪菜
おかげさまで
凪菜
本当にありがとうございます
いおる
ほ、本当に大丈夫ですか?
もし具合が悪いなら良い病院でもっ
もし具合が悪いなら良い病院でもっ
凪菜
本当に大丈夫です!
早苗
おはよう
早苗
あっ、そうだ!
早苗
そろそろ来るぞ
凪菜
??
凪菜
誰がですか?
玲央
今日からここで働く人
凪菜
新しい人が来るんですね
いおる
お、お茶でも入れて待ちましょうか
早苗
おっ!来たようだな
?
おはようございます
?
今日からここで働く……
凪菜
……えっ!








