ある日の午後、鬼灯はデスクに向っていた。
鬼灯「…」カキカキカキカキ…
「…くあぁっ…‥」アクビ
その隣には、犬神もいた。
鬼灯「はぁ…」
鬼灯は、書いていた手を止めた。
鬼灯「大口真神さん、柴犬位の大きさになってください。」
「?」
すると、犬神はまた煙を上げ犬になった。
「くるる…?」
鬼灯「…」
鬼灯は、デスクをトントンと叩き上へ来いと合図した。犬神はデスクへ上がる。
鬼灯「寝てください。」
そう言われ、犬神は横になる。すると…
「ぐるわっん!?」
鬼灯は、犬神の腹に顔を埋めた。
「ぐる゙る゙る゙…」
鬼灯「少しですので、待っていてください…」
鬼灯は、満足そうに毛に包まれながら呼吸していた。
鬼灯(このモフモフ感がたまらない…)
「…フンッ…」
犬神は、鼻から大きく息をつくと諦めたように上げていた首を下げた。
唐瓜「アレ…どういう状態?」
茄子「しらね〜」
鬼灯「ふぅ…さて‥仕事にかかりますか…」
「くるる…」
犬神は、デスクを降りまた鬼灯の仕事をじっと見つめていた。
すると…
「(゚д゚)!」
犬神は、立ち上がり何かを取りに行った。
鬼灯「?」
しばらくすると、犬神は何かを咥えて戻ってきた。
「ぐるわん!」
デスクに前足を掛けて咥えていた紙を鬼灯へ渡した。
鬼灯「これは…履歴書‥と、いうよりも能力所ですか…」
鬼灯「なるほど…やはり、優秀な人材でしたね。」
「わフッ…」
お香「鬼灯様!」
すると、お香が焦った様子でやって来た。
鬼灯「どうされましたか?」
お香「等活地獄で…」
鬼灯「?」
鬼灯「なるほど…面倒な狂犬がやって来たと…
お香「そうなんです。私も、夜叉一さんも手こずっていて…」
鬼灯「なるほど…なら、大口真神さんにお願いしてもよろしいでしょうか?」
「ぐるわっん!」
犬神は、鬼灯の指名を受けると凄い勢いで走り去っていった。
お香「大丈夫かしら…」
鬼灯「山から降りても神様ですからね。そこらの野犬にはやられませんよ。」
お香「や、野犬…」
犬神は、走り続け等活地獄へやって来た。見えてきたのは、遠くで夜叉一と取っ組み合う夜叉一よりも大きいドーベルマンだった。
ドーベルマン「俺に勝てやしないのさ!先輩?」
夜叉一「ガルルルッ」
クッキー「あなた!そんなやつに負けちゃだめよ!」
すぐ横では、お局クッキーが夜叉一を応援し続けている。
シロ「あれやばくない?」
柿助「うん…鬼灯様よぶ?」
ルリオ「ん?いや…必要無いかもな」
シロ「え?なんで?」
ルリオ「ほら」
ルリオが指した先には犬神が走ってきていた。
シロ「嫌だああああっ!!??」
ルリオ「お前に用が有るわけじゃ無いだろうな。」
柿助「もうトラウマみたいだよ」
そんな話をしていると、犬神は疾風の如くシロの前を走り抜け、夜叉一と取っ組み合っているドーベルマンだけを咥えて掻っ攫った。
ドーベルマン「うわああああぁっ!?」
夜叉一「な、なんだっ!?」
「ヴヴヴヴヴゥッ!!」
犬神は、ドーベルマンを咥えたまま凄い勢いで首をふる。
ドーベルマン「ブクブク…」
ドーベルマンは、もう気を失い泡を吹いていた。
「フーッ…フーッ…」
夜叉一「お、おいシロ…あれ誰なんだ?」
シロ「ああ、大口真神さんだよ。数日前に鬼灯様の専属秘書になったの」
夜叉一「大口真神って、ヤバい人じゃねぇか!?」
シロ「え?そうなの?」
夜叉一「大口真神と言えば、現世の山に住む神だぞ。」
シロ「え?!山神様なの!?」
夜叉一「ああ…って言うか、それを専属秘書にする鬼灯様もすげぇな…」
「わふっ…」
犬神は、夜叉一へ近づき気絶しているドーベルマンを受け渡した。
「フンッ…」
夜叉一「あ、ありがとうございます…」
犬神は、ドーベルマンを受け渡すと、閻魔殿へ走り去っていった。
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