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更 新 あ り が と う ご ざ い ま す っ ! ⸜ 🙌🏻 ⸝ 続 き が 、 楽 し み に な る 切 り 方 で わ く わ く し て ま す ! - ̗̀ 👉🏻👈🏻 ̖́-
『ふふっ。』
三人で何処かも分からない場所に行って。
道を歩いて。日が暮れても歩いて。
子供みたいに。馬鹿みたいに。
はしゃぎにはしゃぎまくった。
僕ら三人だけで出来た世界みたいで。
僕らしか居ないんじゃないかって。
そう思う位。人が居なかった。
二人が居るからなのか。
不思議と寂しいなんて思わなかった。
その人が居ない空間が。
僕の後ろに居た。
黒いモヤのようなモノをかき消した。
風の声や草の声。この空間には。
自然の声と僕らの足音だけが響いた。
ベッドなんて無くても。
お風呂なんて無くても。
今の僕らには地面の雑草だけで十分だ。
22:25
久しぶりにスマホを覗いた。
もうこんな時間か。
『今何時?』
《10時25分。》
〖まじー?めっちゃ経ってんじゃん!〗
親指を上にスライドさせる。
《うわ。》
〖んー?どーしたーはるー?〗
『どーしたの?晴くん。』
《いや、通知が…。》
そう。ずっと連絡をとってない他のライバーさん達が心配の連絡をくれていたのだ。
《忘れてた。今日ろふまお撮影日だった。》
〖あーあ!やったなぁ!はるぅ!〗
『まぁ、しょうがないよ!』
《そうだよなぁ!》
〖開き直ったぞこいつ!〗
《いいだろぉ!別にぃ!》
『ふふっ。』
楽しい。
こんな事思ったのいつぶりだろうな。
藤次郎もずっと笑ってる。
長尾も。二人も楽しんだろうな。
良かった。
一度でも、もう死んでやろうかと。
考えていた自分をぶん殴りたくなった。
それと同時に。
慰めてあげたくなった。
背中を押してやりたくなった。
こんなにもいい同期が居ることを。
教えてあげたくなった。
この綺麗な景色を見せてあげたくなった。
僕は。
こんなにも。
弱かったんだな。
人に頼らないと。
生きていくことすらもままならない。
でも今は。
そんな自分にちょっとばかし、
感謝をしている。
だってこんなにも素敵な人達が
すぐ近くに居ることを教えてくれたんだから。
人は。
人に生きていいよと言われなければ。
生きていけない。
そんな生き物だ。
自分以外の人物が自分自身になるなんて事。
出来やしない。それも人間だ。
奇跡なんて不確かな物にまで縋り付く。
それも人間なんだ。
周りが創った当たり前を。
自分の中でも当たり前にしてしまえば。
全てを周りに合わせて生きていけば。
それは、人間というよりかは。
ただの操り人形だろう。
ロボットは人型になって。
感情を付け足せばある程度は人間だ。
だけど、人間は。
どう足掻いてもロボット何かにはなれない。
《人間って本当。不便だよね。》
〖まーなー。〗
〖だからこそ。魔なんてモノが出来るんだし。〗
《確かに…。》
『でも。不便だからいんじゃない?』
『不便だからこそ、悩むし。』
『間違う。』
『でもその度にその壁を乗り越えて。』
『経験値として記憶に残すんでしょ?』
『だから。同じ間違いは。』
『過ちは犯さないんでしょ。』
《やっぱ。弦月ってすげぇや。》
〖ほんとなー!〗
『なんでそーなるの!』
《ふはっ。》
《ずっとここに居たいな__。》
〖俺もー。〗
『僕もだよ。でも。』
『多分。無理だろうね。』
【え、?何で?】