テラーノベル
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会議室に笑い声が響く。イタ王が大げさな身振りで喋り、日帝が静かに相槌を打つ。
俺も笑ってみせる。けれど、その笑いはどこか空っぽだ。
――不意に、頭に浮かぶのはソ連の顔だった。
あの無骨で不器用な奴。
真っ直ぐで、時に鬱陶しいくらいに近づいてきて……それでも、どこか放っておけなかった。
「……」
思い出した瞬間、胸がざわつく。
ナチス(馬鹿だな……もう関係ねぇだろ)
俺はソ連を傷つけた。
右目を奪い、心を切り裂いた。
それが最後だ。俺と奴の間に、もう何も残ってない。
なのに、どうして。
こうして仲間と笑っているときでさえ、あいつの姿が頭をよぎるんだ。
イタ王「ナチ~、聞いてるんね?」
ナチス「あぁ……悪い、ちょっと考え事をしてた」
ごまかすように返す。
だが、考えていたのは戦略じゃない。
浮かんでいたのは、ソ連の声だった。
あり得ない。
そんなはずはない。
俺を愛していたなんて、勘違いだ。
ナチス(あいつにとって俺は、ただの傷跡だろ)
そう言い聞かせる。
だが、それでも思い出してしまう。
不器用に笑った顔。
拗ねて黙り込む横顔。
そして、あのとき泣き叫んだ声。
心臓がひどく痛む。
この痛みを「後悔」と呼ぶのかもしれない。
日帝「……先輩?顔色が優れませんが」
ナチス「……問題ない」
強く言い切る。
仲間の前で弱さは見せられない。
けれど、内心では知っている。
俺は未だにソ連を忘れられない。
忘れたはずの奴を、何度も何度も思い出してしまう。
――それでも、きっとあいつは俺を憎んでいる。
俺がそう信じている限り、この想いは決して口にはできない。
だから俺は、今日も笑う。
枢軸の一員として、表向きは堂々と。
だが胸の奥では、ソ連の名を呼ぶことすらできずに。
ナチス(……ソ連。お前の目に、俺はもう映らなくていい)
そう願うのに――本当は。
映っていてほしいと、思ってしまう。
前話が長かったから、今回は短めですわよ。
めっちゃ放置しててすいませんでした🙇♂️
ではまた!
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