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「それから何日か経って、せめてもの手向けとして彼女を棺に入れる準備をしていました。ですが……準備を終えたころには彼女の遺体は消失していました。当時は私が知らぬ間に誰かが運んでいたのかと気にもしませんでしたが、こういうことだったんですね。」
「それが…俺が忘れていた記憶…?」
「そうよ。劉磨クンはよほどのショックで自分の記憶を封じていたの。アタシたちとしても忘れていてほしかったから記憶を戻さなかった。」
「何があったのかはわからないけどどんな形であれ柚は生きている。たとえ中身は変わってしまったとしても…。」
「ただ1つわからないことがあります。私たちを怨んでいることはわかりますが、何故花月さんのもとへ来たのでしょうか…。」
「それはたぶん…」
「止めてほしいんだと思います。自分たちがやっていることを……きっと。柚さんはまだ皆さんのこと……忘れていないから。」
私たちのことを信じていた彼女を私たちは裏切った。結局どの道を選んでいても彼女を幸せにできなかった。償うべき罪はこれほど重いのですね。
コンコン
「花月ちゃん~!僕だけ仲間はずれにしないでよ!」
「る、琉生くん!?」
「大事なところだったのに…。」
「とりあえずこの話はおしまい。柚ちゃんが生きていたことだけでも大きな収穫よ。」
ガチャ
「もう、皆して僕のこと1人にしてさ。僕、退屈だったんだから。」
「あら、それならアタシが遊んであげるわよ。」
「おかまはヤダ。」
「やばい……。」
「琉生クン、向こうで大事なお話しましょうね。アタシが全部大切なこと教えてあげるわ。」
「げ……花月ちゃん助けて~。」
いつもの賑やかな空気に戻った。琉生が来なかったらあのままどうなっていたのでしょうか。