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中学2年生でもたまにはめちゃくちゃ少女漫画みたいな話が書きたくなる時くらいあるんだよ・・・・!
転生です。
なんかめちゃくちゃ王道のクッッッソおもんねえラブコメだと思ってみてください。
適当な紹介↓
・異能力転生学園パロディ
・中也はどこにでもいる平凡な女の子(ただし本人は自覚していないだけでめちゃくちゃ可愛い美少女だとする)
・太宰はガチのイケメン(ハイスペックって単語が腹着て歩いてるしなんなら爆モテしてる)
・ちゃおとかリボンとかで使い古されたネタ。
朝の光が眩しくて、中原中也は小さく目を細めた。
通学路の途中で見上げる空は抜けるように青いけれど、私の心は少しだけ重い。
また、あの夢を見た。
暗い闇の中で、誰かが私の名前を呼んでいるのだ。低くて、どこか楽しげで、それでいてひどく切なそうな声。けれど、その声の主の顔はどうしても思い出せない。夢から覚めると、いつも胸の奥がぎゅうと締め付けられるように痛む。
「中也、朝ご飯はちゃんと食べたのかえ?」
玄関で見送ってくれた紅葉姉さんの声を思い出し、中也は自分の頬をぱんと叩いた。
両親を早くに亡くした中也を、親戚である尾崎紅葉は我が子のように引き取り、大切に育ててくれた。だからこそ、いつまでも実体のない夢に囚われて、暗い顔をしていてはいけないと思う。
中也の悩みは、夢のことだけではない。
高校生になっても一向に伸びない身長は、同年代の女子の平均よりも十センチメートル以上も低い。そのくせ、生まれつき目つきが悪いものだから、普通にしているだけで「怒っているのか」と勘違いされる。運動神経だけは人より少し良いけれど、勉強も容姿も、これと言って目立つところのない、ただの平凡な女子高生。それが中原中也という人間だった。
「おはよ、中也」
「おはよう」
教室に入ると、数人のクラスメイトが声をかけてくれた。中也は小さく手を振り返し、窓際の後ろから二番目にある自分の席へと向かう。
鞄を机の横に掛け、椅子に腰を下ろしたところで、教室がいつもより騒がしいことに気がついた。女子生徒たちが数人で集まり、前のめりになって噂話に花を咲かせている。
「ねえ、今日の転校生の話、聞いた?」
「聞いた聞いた! ものすごい美形なんだって」
「森先生のところの息子さんらしいよ。頭もすっごく良いみたい」
森先生、というのは、この学校の近くで大きめの病院を経営している校医の森鴎外のことだろう。中也も何度か保健室で世話になったことがあるが、どこか底の知れない大人の男性だった。確か、エリスという名前の、お人形のように可愛らしい女の子と一緒に暮らしていたはずだ。その森先生の家に、新しく男の子がやってきたのだろうか。
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「へえ、転校生か……」
中也は特に興味を惹かれることもなく、窓の外を眺めた。自分には関係のない、どこかの遠い世界の出来事のように思えたからだ。
やがて予鈴が鳴り、担任の教師が教室に入ってきた。ざわざわとしていた室内が、水を打ったように静まり返る。
「おい、席につけ。連絡がある。今日からこのクラスに新しい仲間が加わることになった」
教師の言葉と同時に、教室の引き戸が静かに開いた。
その瞬間、女子生徒たちの間で、小さな、けれど確実な悲鳴のような吐息が漏れた。
入ってきたのは、一人の少年だった。
高校生の男子としては驚くほど背が高く、手足がすらりと長い。制服の詰め襟を少し緩め、白い肌を覗かせている。癖のある黒髪の間から見える顔立ちは、少女のように中性的で、冷ややかなほどに整っていた。どこかこの世の者ではないような、触れれば消えてしまいそうな儚さを纏っている。
中也は、その少年を見た瞬間、心臓が大きく跳ねるのを感じた。
(……え?)
息がうまく吸えなくなる。胸の奥が、あり得ないほどの速さできしむような音を立てた。
知らないはずの少年だ。会ったことなど、一度もないはずなのに。
少年は教壇の横に立つと、集まる視線を気にする風でもなく、ただ静かに教室を見渡した。
そして、その切れ長の瞳が、窓際に座る中原中也の姿を捉えた。
少年の瞳が、微かに揺れた。
ほんの一瞬、驚きと、それから言葉にできないほどの深い愛おしさがその瞳に灯ったのを、中也は見逃さなかった。
「自己紹介を」
教師に促され、少年は薄い唇を開いた。その声は、低く、どこか心地よく鼓膜を揺らす。
「太宰治です。わけあって、今日からこちらにお世話になることになりました。よろしく」
その声を聞いた瞬間、中原中也の頭の中で、パチンと何かが弾けた。
(あ……あの、夢の、声……?)
毎晩のように中也を苦しめ、呼び続けていたあの声。
まさか、そんなはずはない。これはただの現実で、あの人は今日初めて会った転校生なのだから。自分に言い聞かせるように、中也は机の下でスカートの裾をぎゅっと握りしめた。
「太宰の席は……よし、あそこの窓際、中原の隣が空いているな。そこへ行ってくれ」
教師が指差したのは、中也のすぐ右隣の席だった。
中也の心臓が、さらに激しく鐘を打ち鳴らす。
太宰と呼ばれた少年は、「わかりました」と短く答えると、長い足を動かしてこちらへと歩いてきた。クラス中の女子の視線が、太宰の動きに合わせて移動していくのがわかる。
太宰は中也の机の横まで来ると、一度だけ足を止め、上から見下ろすようにして中也を見つめた。
背が高い。座っている中也から見上げると、まるで見上げるような高さだ。
「よろしく、中原さん」
太宰はそう言って、ふっと優しく微笑んだ。その笑顔は、先ほどまでの冷ややかな印象を消し去るほどに、柔らかくて、甘いものだった。
「あ……う、うん。よろしく、太宰……くん」
目つきが悪いと言われないよう、必死に表情を整えて挨拶を返す。太宰は満足そうに頷くと、中也の隣の席に荷物を置き、静かに椅子に腰掛けた。
それからの授業中、中也はまったく集中することができなかった。
隣から、微かに洗いたての衣服のような、心地よい香りが漂ってくる。気になって仕方がなくて、教科書を見つめながらも、視線の端でどうしても太宰の横顔を追ってしまう。
太宰は、授業を真面目に聞いている風には見えなかった。頬杖を突き、気怠げに窓の外の景色を眺めている。それなのに、教師から突然指名されても、淀みなく完璧な答えを返してみせた。
「おい、太宰。この問題を解いてみろ」
「はい。そこは公式を使って、ーーーーのように展開すれば、答えはーーーになりますね」
「う、うむ……正解だ」
教師の方が気圧されたように声を詰まらせる。
休み時間に行われた簡単な小テストでも、太宰は開始からわずか数分でペンを置き、当然のように満点を叩き出した。
容姿端麗で、頭脳明晰。まさに完璧という言葉がふさわしい少年だった。
(なんなんだよ、アイツ……。住む世界が違いすぎるだろ)
中也は自分の平凡さを突きつけられたような気がして、少しだけ落ち込んだ。こんなハイスペックな男の子が、どうして自分の夢に出てくる声の主だなんて思ってしまったのだろう。ただの自惚れか、あるいは体調が悪いせいだ。そう結論づけようとした、その時だった。
四時間目が終わり、昼休みを告げるチャイムが鳴り響いた。
途端に、太宰の席の周りには、他クラスからも含めて大勢の女子生徒が集まってきた。
「太宰くん、お昼一緒に食べない?」
「どこから転校してきたの?」
「連絡先、教えてほしいな!」
黄色い声が飛び交う。中也は、その騒がしさから逃れるように、購買でパンでも買おうと席を立とうとした。
しかし、それを阻むように、細くて長い手が中原中也の机の端を優しく掴んだ。
「え……?」
驚いて振り返ると、人だかりの中心にいるはずの太宰治が、女子生徒たちの問いかけを一切無視して、真っ直ぐに中也を見上げていた。
「中原さん、お弁当、一緒に食べてもいいかい?」
「は!? いや、私はこれから購買に……」
「なら、私もついていくよ。この学校のことはまだよく分からないから、案内してほしいな」
太宰はそう言うと、周囲の女子生徒たちに向かって「ごめんね、先約があるんだ」と、有無を言わせない笑顔を向けた。女子たちが不満そうな、そして中也を羨むような視線を向けてくる。中也は居心地の悪さに身を縮こまらせた。
「おい、太宰。なんで私なんだよ。他にも案内したい奴なんて、山ほどいるだろ」
教室を出て、廊下を歩きながら中也は不満げに声を潜めた。
「どうしてって、隣の席の可愛い女の子にお願いするのは、男として当然の権利だろう?」
「か、可愛い……っ!? 誰がだよ! からかうな!」
中也は顔を真っ赤にして怒鳴った。自分の目つきの悪さや、ちんちくりんな体型を馬鹿にされたのだと思ったのだ。
しかし、太宰はからかう風でもなく、真剣な、どこか切なげな瞳で中原中也を見つめていた。
「からかってなどいないよ。本当に、可愛いと思っている。……やっと、会えたんだからね」
後半の言葉は、とても小さくて、廊下の雑音にかき消されて中也の耳には届かなかった。
購買でパンを買い、二人は校舎の裏手にある、人の少ないベンチへと移動した。
五月の爽やかな風が、中也の長めの髪を揺らす。中也は男の子のように大雑把に髪を耳にかけ、買ってきた焼きそばパンを大きな口で頬張った。
「ふふ、中也は本当に、美味しそうに食べるね」
「なっ……! 中也って呼ぶな! まだそんな仲じゃねえだろ!」
口にパンを詰めたまま怒る中也を見て、太宰は声を上げて笑った。その姿は、教室で見せていた冷徹な美少年のものとはまるで違い、年相応の悪戯小僧のようだった。
「いいじゃないか。中也、中也。私のことは、治、と呼んでくれて構わないよ?」
「呼ぶか、そんな恥ずかしい名前! 大体、お前、なんで私にそんなに馴れ馴れしいんだよ」
中也は訝しげに太宰を睨みつけた。
初対面のはずなのに、太宰の態度はあまりにも距離が近すぎる。まるで、ずっと昔から中也のことを知っていて、こうして二人で過ごすことが当たり前であるかのような、そんな自然さがあった。
「理由、か。そうだね……」
太宰は自分が持ってきた上等なお弁当に手を付けることもなく、中也の顔をじっと見つめた。
その瞳の奥にある深い闇と、それ以上の熱量に、中也は思わず息を呑む。
「ずっと、探していたんだ。私が私であるために、どうしても必要な人を。君がいない世界は、とても退屈で、死んでしまいたくなるほどに冷たかった」
太宰の言葉は、高校生の日常会話としてはあまりにも重く、芝居がかっていた。
けれど、その声のトーン、空気感、そして何よりも太宰の纏う「儚さ」が、それが本気であることを物語っていた。
中也の胸が、また痛む。
(なんなんだ、この気持ち……。どうして、この人の言うことが、嘘じゃないって解るんだ?)
前世の記憶など、中原中也にはない。
自分がかつて、この男と共に夜の街を駆け抜け、背中を預け合って戦った、ポートマフィアの「双黒」と呼ばれた人間だったことなど、知る由もない。最初から女の子として生まれ、平凡に育ってきた中也にとって、太宰治はただの「気になる転校生」のはずだった。
それなのに、太宰が寂しそうな顔をするたびに、胸の奥が張り裂けそうになる。守ってあげたいと、その細い体を抱きしめてあげたいと、本能が訴えかけてくるのだ。
「お前……本当に変な奴だな」
中也は小さく溜息を吐き、焼きそばパンの最後の一口を飲み込んだ。
「でも、まあ……お前がどうしてもって言うなら、弁当くらい、毎日一緒に食べてやってもいいけどよ」
そっぽを向いて、赤い顔を隠しながら中也が言うと、太宰は一瞬だけ目を見開いた。
そして、今日一番の、本当に嬉しそうな笑顔を咲かせた。
「本当かい? 約束だよ、中也。もし破ったら、君の家に押し掛けて、紅葉姐さんに直談判してしまうからね」
「はあ!? なんで紅葉姉さんの名前を知って……って、ちょっと待て、お前今なんて言った!?」
「さあ、何のことかな? ほら、もうすぐ昼休みが終わってしまうよ。教室に戻ろう、私の中也」
太宰はひらりと立ち上がると、中也の手を優しく握りしめた。
その手のひらは、驚くほど暖かかった。
記憶はなくとも、魂が覚えている。
最初から女の子として生まれた中也と、その中也を愛するために全ての記憶を持って生まれてきた太宰。
二人の、新しくて、どこか懐かしい高校生活が、今ここから始まろうとしていた。
(続かない)
・・・。
なんか書いてて恥ずかしくなってきたわ・・・(笑)
コメント
9件
転生もの初めて見たんですけど、ちょい切なく甘い感じ最高でした…!
転生学パロっ!エモすぎです!私あまり恋愛漫画とか男女の恋愛ストーリー見たことなくて何となく避けてきたんだけどめっちゃくちゃ尊いですね!!付き合うまでの過程が気になる
恋愛ストーリー要素を入れつつ、この2人の切ないけど幸せになりそうな雰囲気が素敵!!