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最終回:最弱(仮)の、日本さん。

***


放課後の図書室、誰も来ない特別閲覧室。

そこには、一人静かに本を読む姿があった。


日本「……この“時空固定陣式”って、止めたい時間に手紙を入れるやつなんですか?」


(※本来、世界を止める禁忌魔法)


そんな日本の周囲に、ふと漂う空気の歪み。


「……やはり、君が“神の器”か」


声と共に現れたのは、“南帝”――

かつて滅びた南方魔法国家の亡霊であり、歴史そのもの。


南帝「私は、かつて君に滅ぼされた国家の残響。

君が再び魔力を持ったと知って、この目で確かめに来た」


日本「えっ……もしかして、また私、何かやっちゃいました?」


南帝「君は、かつて“日帝”と呼ばれていた存在。

あらゆる魔法体系を超越し、戦争を終わらせた力を持っていた」


日本「……あんまり覚えてません。でも、今の私は“ただの学生”です」


微笑むその目が、ほんの一瞬――冷たい朱に染まる。


南帝「それでも私は、恐れている。

“優しさ”で動く君が、怒りを知った時……世界が壊れる」


日本は静かに立ち上がる。


日本「私、ずっと考えてたんです。

“強いこと”って、怖がらせることじゃない。

“壊せること”でもない。――守れることなんじゃないかって」


南帝の魔力が激しく揺れる。


南帝「……君は、変わったんだな。

“かつての神”ではなく、“今の君”として、生きている」


日本「はい。私は“最弱(仮)”の日本ですから!」


ふっと、空気が軽くなる。


南帝「……いいだろう。君を試すのは、これで最後にしよう。

この先の未来が、たとえ再び混沌に落ちようとも――

私の国は、もう君を恨まない」


そして彼は、霧のように消えた。


***


その夜、寮の屋上。

星空の下、日本は制服のネクタイをほどいて、深く息を吸った。


「……ふぅ」


ほんの少し、本気を出しかけた心を静めながら

見上げた空に、ひときわ強く瞬く星があった


そこへ、生徒会4人が現れる。


アメリカ「Japan!!探したぞ、無事か!?」

ロシア「絶対またヤバいこと巻き込まれてた顔してるよ…」

フランス「魔力反応、さっきピーク超えてたからね?」

イギリス「“君の笑顔”のせいで、我々の心拍数もピーク超えてるんだが」


日本「え、今日も穏やかでしたよ?ただの“お別れ”だったので」


アメリカ「(“ただの”のレベルがおかしい)」


ロシア「でも……Japan、笑ってるね」


日本「はい。……ここに来て、よかったなって思ってます」


イギリス「……君がそう思うなら、世界中が安心するな」


フランス「うん。もしまた何かあっても、今度は……私たちが守るから」


日本は、ぽかんとした顔で、


日本「……それって、もしかして……告白ですか?」


全員「違うわ!!!(あっちが本気出したら、我々が死ぬ!!!)」


日本「えへへ、てへっ」


その笑顔は、世界を救う――

最弱(仮)にして、最強の魔法。


***


― 完 ―





最弱(仮)の、日本さん

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