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それから数日。学習机に乗せられた手紙。書かれた電話番号。連絡するか迷い、寝れない日々が続いた。3日経ち、決意した。電話しよう。偽物だろうと、怖くない!
震えた手でスマホを耳に当てる。その電話は3コールくらいで簡単に繋がった。
「…もしもし?」緊張のあまり出た声は小さくなってしまった。すぐ返答が来た。
「もしもし!!貴方は、あの〇〇さんですか!?考察読ませていただきました。素晴らしいです!!」
「朝霧カフカさん、ですか??」
「勿論さ!!早速提案がある!」
脳内大混乱。今文ストオタクの私は作者と会話しているのだ。
(いつも作品楽しく読ませていただいてます!!)その言葉が出ない。
「て、、、提案とはぁぁ??」
「君を、文豪ストレイドッグスの世界に連れていきたい。」
は、、、?何を言っているんだこの人は?確かに私はサイトで出てきた「二次元に行く方法」を何回も試した。だがいつも失敗。二次元なんて、行けないと思っている。この人、アタオカなのか…?
「え、」ついに声が出る。
「その儘の意味だよ。だが、世界に連れて行くのは僕達作者が信じた相手しか許されないんだよ。僕は君を信じてる。君なら文ストを変えられる。お願いだ。」今まで行きたかった世界。チャンスを潰したくなかった。分かってる。それ成りの覚悟が必要だ。家族にも会えない日々が続く。でも…
「行きたい!!それで皆の助けになりたい!!行けるもんなら行きたいですよ!!」
敬語混じりの言葉は、朝霧さんに伝わったみたいだ。
「….頼んだよ。あと最後…」朝霧さんが何かを言いかけた。その言葉を最後まで聞けないまま電話は途切れてしまった。