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「こんな話、聞いたことある?
「人間は7年で生まれ変わる」
私たちの体には40兆くらいの細胞があって、ほんの数日で死んでしまうのもあるらしい。知らないところで絶えず死んで、絶えず生まれ変わり続ける。自分のからだのことなのに、知らないうちに変わっていく。ほとんどの細胞が生まれ変わるには大体7年かかるらしい。だから人間は7年で生まれ変わるってこと。最近、ふとした瞬間を思い出せなくなることがある。時間が経って忘れちゃっただけなのか、ただのド忘れなのか。不思議なのは全部を忘れる訳じゃないってこと。例えば子どもの頃、親友と映画を観に行ったことは覚えてる。どんな映画だったか、帰りに寄ったカフェで食べたケーキのことも覚えてる。ただ、そこで何を話したかが思い出せない。ふたりで苦しくなるほど笑ったような気がするのに、それがなんだったのか、ほんの少しも思い出せない。あの頃の私の細胞の欠片が、消えてなくなってしまったと言うことだろうか。でも、正直忘れたいこともたくさんあるよね。よく、「人間は辛いことを忘れるようにできている」何て言うけど、昔やってしまった失敗はいつまで経っても忘れられない。本当にしょうもないミスだけど、高校時代、友達に宛てたメールを間違って先生に送ってしまったことは、いつ思い出しても叫びたくなる。忘れたいことほど忘れられないのに忘れたくないことほど忘れてしまう。もっと自分でコントロール出来たらいいのに。
生きていく限り、私の中の細胞が死んで、生まれ変わる。
それを繰り返していくなかで、私は何を得て、何を失ってしまうんだろう。
新しい挑戦をして、新しい自分に出会いたい。
昨日の自分より、今の自分を好きだと思いたい。
きっと明日は今日よりいい人間であると信じたい。
変わっていきたいけど、変わりたくない。
大好きな家族とはずっと一緒にいたい。
大好きな友達とは、絶対に離れたくない。
私の中の大切な物は何一つ変わらないでいてほしい。7年経っても、100年経っても、ずっと私の中にいてほしい。
先に進むこと、階段を登ること。
ハードルを越えること、ドアを開けること。
新しい自分に出会うには努力が必要だけど、本当に難しいのは
変わらずに、同じ場所に立ち続けること。
ねぇ、みんなはどう?
変わるか、終わるか。」