TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

~カンデレー家の地下室~(ゾム視点)


地下は牢屋のような部屋が並んでおり、その奥には個室が何部屋か続いている。


俺はユタイズが放ったロボットを止めるため、急いで元俺の部屋へ向かっていた。



鬱先生「ゾム!さっきロボを停めるって言ってたけど」


鬱先生「制御装置は使えないんやろ?」


鬱先生「どうやって停める気や?!」


コネシマ「停めるには今から急いで国に戻った方がええんちゃうか?」


鬱先生「何体おるか分からんし、一体でも戦って敵う相手やないで!」


コネシマ「ここで無駄に使えへんものを模索するよりは勝算あるやろ!」


鬱先生「ゾム!!」



鬱とコネシマは後ろで不安と焦りの表情を浮かべ、言い争いながらついてくる。


ゾム(別に帰ってもええんやけど…)



しかし、ココにいる以上、騒がれてもうるさいし、邪魔だった。

だから俺は2人を落ち着ける為に言葉を発した。


ゾム「…制御装置は使える」


鬱・コネ「!?」


2人は俺の一言に驚きと困惑の表情を浮かべた。


ゾム「………静かにしてろ」


俺はこれ以上説明する気はなかった。



それ以上言葉を発さず、先へ急ぐと

2人は開きかけた口を噤み、静かについてきていた。


ゾム(監視の為っちゅうんもあるんやろうけど、俺の言葉を信じてるんか……)


ゾム(一度裏切った奴が本当のことを言うとは限らへんのにアホやな)


俺は2人の愚行にほんの僅か、心に温もりを感じた気がした。



俺は、俺の元個室の前で足を止める。


部屋のドアに背を向け、向かいの壁を見る。

そう、俺が用があるのはこの部屋ではないのだ。


俺は2人の存在を隠すため、後ろへ下がるよう指示をし、 ポケットから死体から切り取った手を取り出す。


チラっと2人を見ると、俺の持つ手を見てドン引いた顔で、唖然としていた。


ゾム(俺の趣味やないし、俺やって触りたくないねんで??)


なぜか俺はそう心の中で2人に弁解し、   手を向かいの何もない壁につかせ、押し付ける。


すると、何もなかった壁が静かに動きだし、先に空間があることを視認させた。



部屋の中はパソコンのモニターでびっしり埋まっていたが、一角だけは紙が沢山張られており、調査の痕跡が残っていた。


モニターにはこの国の全てが映しだされていた。

俺達の行動は筒抜けだったようだ。


取り敢えず2人はそのままに、俺はモニターの前に座っている男に話しかける。

ゾム「久しぶりやな」


モニターを見ていた男はこちらへ向き、口を開いた。

※(第13話に出てきた人です)


外にいた人「ハハッw、ゾムさんお久しぶりです。」

外にいた人「ゾムさんならすぐココに来ると思いましたよ」


ゾム「…演技やったんか?」


外にいた人「はい、ユタイズ様に外で待機するよう命じられていました。」


外にいた人「ユタイズ様はいつか訪れるゾムさんの元いた国からの襲撃に備えておられましたから」


外にいた人「まぁ、その時は予想よりも早かったようですが…」


外にいた人はどこか面白そうに応える。



ゾム「先生を殺したのはお前なんか?」


外にいた人「いいえ、ユタイズ様です。」


外にいた人「あの時のユタイズ様はゾムさんを確保できて、大変喜んでおられました。」


外にいた人「やっとあの先生を殺せると」


外にいた人「ゾムさんに警戒させないためわざと教会で先生を殺さず、生かして…」



ようは、

1、俺がここに来る前に教会に行くおそれがあるから先生を教会に居させる。

2、先生を連れてこない代わりにあの女の子を人質にとる。

3、クワイ教会に弱い俺を捕まえることができる。


俺が再び戻った後は先生が生きてようがいまいが確認させなければいいだろ。という話だった。


本当に不愉快な話だ。


ユタイズが先生を殺したい理由は俺に悲しんで欲しかったからだろう。

アイツはそういう男だ。

俺は怒りを必死に抑え、冷静に話を続ける。


ゾム「お前が持っとるんやろ?制御装置 」


外にいた人「……ええ。」


外にいた人「正確には私に付いています」


外にいた人は自身の背中を指差す。


外にいた人「最後の悪足掻きです。」


外にいた人「外にいらっしゃるお二方と共に私を捕まえてください。」


外にいた人「では…」


そう言い残し、入口から外へ走っていく。



そいつはすぐに捕まえることができた。

そして、確かに背中にスイッチが付いていた。

しかし、スイッチは硬いケースに囲われ、鍵がかかっていた。

コネシマ「さっきの部屋に鍵が無いか探してくるわ!」


コネシマは来た道を引き返そうとする。

鬱先生「待て!さっき追いかけっこ始まったときに部屋閉まらんかったか?」


そう、鬱の言う通り、部屋は完全に封鎖され、壁は岩が沢山積み上がっていた。


コネシマはもどかしそうな顔をして鬱先生と2人で外にいた人を見つめる。



その状況をみて、俺はふと思い出した。

確か、マヒルから貰った鍵は輪っかに2つの鍵が吊られていたと。

俺はすぐさま鍵を取り出し、鍵穴に差し込む。



ガチャ…。


そう音が鳴った。


外にいた人「チッ…あの野郎その鍵まで取ってたのか」


俺は急いでスイッチを押す。



暫く経つとインカムからショッピくんの声が聞こえてきた。


ショッピ「ロボットの動きが完全に止まりました!」

その一報を聞き、俺らは安堵した。



外にいた人「くそっ…お前だけでも道ずれに…!」

どこからかゴゴゴゴ…と音がなった。



外にいた人に俺の手を強く握られる。


ゾム「…ぃ”っ……!」


コネシマ「オラァ!ゾムの手を離せ!!」


コネシマは外にいた人にトドメを刺した。

コネシマ「はよ逃げるで!」


俺達はその足で急いで国へ戻った。


loading

この作品はいかがでしたか?

125

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚