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龍羽
(私の好きが詰まりまくった話かもしれませんがお許しくださいませぇー♪)
(雨の夜。テントの中。皆が寝静まったあと、羽京はひとり目を覚ましていた)
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羽京(静かに起き上がり、小さく息を吐く):「……久々に、雨の音が、少し怖いな……」
(耳を澄ませると、かつて銃声と共に過ごした記憶がよぎる。手がわずかに震える)
羽京(苦笑して):「やだな、こんな夜に限って……」
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(そのとき、外から濡れた髪のまま帰ってきた龍水がテントをそっと開ける)
龍水:「……羽京?」
羽京(はっとして笑う):「ああ、龍水さん。ごめんね、起こしちゃった?」
龍水(羽京の震える手を一瞥して、すぐに隣に座る):「……いや。お前がこんなに冷えた顔してるの、見過ごせるわけないだろう?」
羽京(少し戸惑って):「そんな、大げさだよ。ちょっと眠れないだけで――」
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(龍水、ふいに手を伸ばし、羽京の手をそっと握る)
龍水:「羽京。お前は、そうやって全部一人で抱え込む。優しすぎるからな。」
羽京:「……違うよ。僕はただ、誰かを巻き込みたくないだけで……」
龍水:「巻き込め。俺を。……いや、巻き込んでほしい。」
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(羽京、ぽかんとする。龍水は微笑むが、目はまっすぐに真剣だ)
龍水:「お前が震える夜は、俺の腕の中が“避雷針”になる。お前にだけは、そんな思いさせたくないんだよ。」
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(沈黙。羽京の目にうっすらと涙)
羽京(ぼそっと):「……こんなふうに、優しくされると……壊れそうになるんだ、僕。」
龍水(その手を引き寄せて、額をぴたりと重ねる):「壊れていい。俺が全部、拾ってやる。」
⸻
羽京:「……ほんとに、ずるい人だね。龍水さんは……」
龍水(優しく笑って):「お前の心の隙間に住みついたなら、もう“ずるい”どころじゃ済まないだろ?」
羽京(顔をうずめて、こくんと頷く):「……うん。……少し、甘えさせて。」
龍水(腕を広げて):「いくらでも。好きなだけだ。」