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深優さんには「守りたいものはありますか」で始まり、「全部本当のことなんだよ」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば6ツイート(840字)以内でお願いします。
こんにちは!深優です。普段ブルーロックの二次創作を書いていたのですが地縛少年花子くんを見始めてから書きたくなってしまい花寧々を書かせていただきました。
これからは冴凛(ブルーロック)、花寧々(地縛少年花子くん)、もしかしたら宿虎(呪術廻戦)を書かせていただく予定です。
今回のお話はお題の雰囲気を掴めていないので読みずらいかもしれませんが取り敢えず書いたから投稿する!の勢いで投稿させていただきました。
お題の6ツイート以内は達成できず申し訳ありません。
このお話は深く考えずにお読みください。
⚠️注意⚠️
・ネタバレがあるかもしれません
・キャラブレ
・解釈違い
・妄想を書き綴っただけなので本誌とは一切関係ありません
お楽しみいただけると幸いです!
それではどうぞ!
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「守りたいものはありますか?」
この学園にある七不思議の話。
今日話すのはその中でも1番有名な七不思議が7番目トイレの花子さんについて。
旧校舎3階、女子トイレ奥から3番目。そこには花子さんが居て呼び出した者の願いを叶えてくれる。でも引き換えに何か大切なものを取られてしまうんだって。
呼び出し方はノックを3回それから__。
「花子さん、花子さんいらっしゃいますか 」
「はーあーい」
こんな噂知っていますか?
七不思議が7番目トイレの花子さんに見初められた巫の女の子。その巫はイケメン好きで惚れっぽくて恋愛脳。その癖花子さんの想いに気付いていないとか__。
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八尋視点。
「花子くん聞いて!」
旧校舎の階段を慌ただしく駆け上って花子くんを呼ぶ。
「ハーイヤシロそんなに大声出してどーしたの?」
「あのねあのね!今度の週末みんなと遊びに行く約束したの!」
「みんなって?」
「えーと、葵と茜くんと光くんと源先輩!」
「そーなんだ」
「何気にこのメンツで遊ぶの初めてだし、源先輩もいるなんてもしかしていい雰囲気になっちゃったりして!」
「それはないデショ」
「もー!なんでそんな事言うの!?でも葵もいるし楽しみ!」
「ふーん」
ふーんって……なんか今日花子くん冷たくない?テンション上がってて気付いていなかったけど、そーなんだとかふーんとか私を否定する言葉とかなんかいかにも不機嫌な感じ。
なんでだろう……あ!私が勝手に盛り上がって1人で喋っちゃったからかな……。でもそれっていつものことじゃない?じゃあなんで……。
「花子くんなんか元気ない?怒ってる?」 「……ずるい」
「え?ずるいってなにが?……きゃっ」
花子くんの言ったことがよく理解できなくて聞き返したら壁に追いやられた。慌てて抜け出そうとするもドンッと音を立てて壁に着いた腕に比例して近くなる距離……これって実質壁ドンじゃない?そういえば人生で1度はされてみたかったのよね!……王子様に。なんて現実逃避している間にも距離は近づいていて……。
「花子くん!?本当にどうしちゃったの? 」
「……だって俺はみんなと遊びにいけないじゃん!それに……」
「それに?」
「……俺じゃヤシロと一緒に遊びに行くことはできないし楽しませてあげられない」
「え……?」
「あ……!やっぱなんでもない!ごめん忘れて!週末楽しんできてね!」
「……で…………の?」
「え?」
「なんで花子くんはいつも誤魔化すの!?」
「ちょっ……ヤシロ?」
いつもいつも花子くんは私を振り回すくせに肝心なことは言わないで誤魔化す。だからちょっとは花子くんも慌てればいいのよ!
「私だって花子くんと遊びたいしお出かけしたいわよ!花子くんもそうよね!?」
「まぁ……そうだケド……」
「じゃあなんでなにも話さないで自己完結しちゃうの!?私は花子くんのこと知りたいし一緒に悩みたい!花子くんが好きだから! 」
「え…!いや、でも!俺は怪異でヤシロは人間でしょ?だから結ばれることは許されない……それに!俺は悪霊で人殺しだ!そんなやつがヤシロの傍に居れるわけない!学園の外に行けないしヤシロを楽しませてあげられない!しかもヤシロを幸せにすることもできないんだよ!?
だからっ!……俺じゃだめなんだよ……」
そう言って俯いた花子くんにいつものお調子者の様子は欠片も無くて、ただ悲しそうな苦しそうな……そんな表情をしていた。
その表情の理由も意味も理解できないことが歯がゆくて許せなくて……モヤモヤした。
いくら悪霊だろうが人殺しだろうが花子くんは花子くんであのお祭りの頃から変わらずやっぱり優しいから多分私のことを考えてこう言ってくれているのはわかっている。でも優しいからこそ花子くんは自分の感情を押し殺して自己犠牲をしがちでたまに酷く心配になる。だから今がチャンスとばかりにその心配をぶつけるかのように言葉を吐いた。
「私を楽しませられないとか幸せにできないとか傍に居れないとか誰が決めたの!?私の楽しさも幸せもそばに居る存在も全部私の事でしょ!?だったら私が決めるわよ!花子くんじゃダメとか言うけど私は花子くんじゃないとダメなの!」
「……確かにヤシロのことはヤシロが決めたらいい。けど俺は人殺しで悪霊だ、それはどう足掻いたって変えられない。それに俺はヤシロに普通に生きてほしいんだ。俺が実の弟を殺した人殺しで悪霊でヤシロが俺と関わったことも全てなかったことにはできないけど、記憶を消すことならできるよ。そうしたらヤシロはこんな古い旧校舎の女子トイレに現れないと思うし普通に生きられる。ヤシロは恋に恋してればいいんだよ。悪霊に恋なんて柄じゃない。……どう?消してあげよっか?記憶を……ね?」
記憶を消すとか普通に生きて欲しいとか言うわりには花子くんは私になにもしない。私の許可なんてなくたって記憶を消すことはできるはずなのに。……たぶんそれは花子くんの過去が原因なんだろうけど……。確かに花子くんが人殺しで悪霊なのに変わりは無いし、いくら自分で殺したとはいえ弟を1回失っちゃっているわけだから傍に人を置きたくないのもわかるけどそれが幸せになっちゃいけない理由にはならない。
「……花子くんの過去が許されざるものなのは私もなんとなく知ってるよ。でもそれは生前の話でしょ?司くんを殺したのは花子くんじゃない」
「何言ってんの?ヤシロ。司を殺したのは……俺だよ」
「それもそうだね。でも司くんを殺したのは普くんでしょ?花子くんじゃない。……もういいと思うの。確かに許されないことをしちゃったんだよね?でもそもそも許してもらう必要なんてある?許してもらうって誰に許してもらうの? 」
「それは……」
「確かに過去は変えられないよ。殺してしまった人は生き返らない。茜くんが言った通りね。でもそれは昔の話。花子くんは過去を真正面から受け止めすぎなのよ。少しぐらい受け流して見ないふりしてみてもよくない?」
「だめだよ……俺は耐えられないからって自分勝手なことをしたんだから」
「それは生前に花子くんも辛い思いをしていた証拠じゃない!」
「そんなこと……」
「花子くんが苦しいな死にたいなって思いながら過ごした夜があったとしてその過去に私はいないけど、これからはずっとそばにいるから!だからもう平気なフリなんてしないでいいのよ!」
「……!」
「花子くんとして過ごしてもう50年以上経ってるんだしそろそろ幸せになっていいんじゃないの?花子くんはどうしたいの?」
「俺は……ヤシロが好きだ」
「花子くん……! 」
花子くんは悲しそうな寂しそうはなんとも言えない顔をしてそう言った。その直後ニヤっと見覚えのある顔になって……。
「なーんてね!本当だと思った?」
「な!花子くんのバカ!」
「まあまあ、これからも助手としてよろしくね!」
「はぁ、心配して損した」
花子くんは笑っているけどやっぱりなにか言いたげででもこれ以上は踏み込んじゃいけないような気がして……。
「まあ、誰でも秘密の1つや2つあるか」
__その1つが大きすぎるんだけどね。
「なんか言った?」
「なにも言ってないよ!」
「ふーん 」
結局からかわれてしまった私は大人しくトイレ掃除をして帰った。
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花子視点。
その日は窓辺に腰かけて空を眺めていた。そうして暫くぼーっとしているとドタドタっと階段をすごい勢いで駆け上がる音が聞こえたからヤシロが来たことがわかった。もう放課後かとかこんなに急いでいるなら何か話したいことでもあるのかなとか思いながら待っているとヤシロが「花子くん聞いて!」と言ってトイレに滑り込んできた。嗚呼、予想が当たったななんて考える。いつものように明るい声を出しつつヤシロに意識を向けると話したくて仕方がなかったということがわかるような弾んだ声で聞き捨てならないことを告げられた。そこに追い詰めるようにメンバーを聞かされて更に機嫌が悪くなったことを自覚する。
でもこればっかりは俺だけが悪い訳じゃないじゃんか……。だってヤシロは俺が校外に出られないことを知っているはずなのにみんなで休日に遊ぶ話なんかするから。それに俺が邪魔できない人物と場所でいい雰囲気になっちゃうかもなんてさ。嫉妬するに決まってる。でもそれは許されないことだから口に出せない……なんてヤシロは俺が葛藤していることは露知らず、楽しそうに話を続けるものだから無意識のうちに素っ気ない態度になってしまっていたのかもしれない。ヤシロが「元気ない?」と聞いてくるまで気づかなかったけれど。そこでようやく態度に出てしまっていたことに気づき、せっかくの楽しいヤシロとの時間を自分が壊してしまうだなんて理解できなくていつも通り笑って誤魔化そうかと思った。でも気づいたら口走っていたんだ。
「ずるい 」なんて意味がわからないだろう。俺だって何がなんだかわかっていない。確かにずるいと思っていたのは本当。だけど言っちゃいけないと理解しているのも本当。ヤシロの生死がどうでもいいのは……大嘘。
ヤシロを押さえつけている状況もなにもかも今日は上手くいかないことばかりで帰ってもらおうかなと思った。でも誤魔化すことをヤシロは許さなくて。早口で責められることに慣れていない俺は何も言えなかった。
ようやく調子を取り戻して言い返すと喋れば喋るだけ俺はヤシロといることができないことを改めて自覚することになって尚更惨めだった。
何を言ってもヤシロは諦めないからもうこの関係も時間も終わりにするべきなのかなって思った。結局俺に未来は無いし、もうどうでもいい存在なんだ。……ヤシロが幸せならそれでいい、だから提案した。記憶を消してあげようかって。それが1番正しい選択なんだろうから。
ヤシロの言う俺も幸せになっていいというのはなんとなく理解できるようで理解できなかった……というか理解しちゃいけないものだった。理解してしまったら今まで行ってきたことや信じてきたルールが全て壊れてしまう気がしたから。だから必死にわからないふり、反発しているふりをした。
だってヤシロの言うずっとそばにいるというのはあまりにも不確定で限りなく不可能なことだ。そんなことを心の支えにしてしまったら後悔するのが目に見えている。わかっているのに揺らいでしまう俺は単純なのかもしれない。
俺がどうしたいかなんて最初から決まっているのに口に出せないことがむず痒くて、なんかもうどうにでもなれ!っと吐いた言葉は本心だった。
それなのにヤシロの驚いたような嬉しそうな顔を見て咄嗟に取り繕って誤魔化してしまった俺は呆れるほどの臆病者だ。
揶揄ったことにヤシロは怒っているけど笑っていて安心する。俺のために泣いたり怒ったりしてくれるのは嬉しいけど、やっぱりヤシロは笑ってるのが1番似合う。 この笑顔は絶対に俺が守るから。
聞こえないフリをしたけど本当は全部聞こえている。
大丈夫だよヤシロ、その1つや2つどころじゃない秘密いつか全部教えてあげるから。
……それは置いといて。
いつも通りトイレ掃除をして帰ってしまう後ろ姿を見送ってから呟いた。
「今日話したこと全部本当のことなんだけどな……。」
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以上です!
閲覧いただきありがとうございました!