テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
まるたん
31
おにぎり
21
夏休みに入る寸前の大掃除だ。
埃を被った倉庫の掃除
音を鳴らす机
熱を帯びた僕ら。
「はぁ〜!!暑くね?なんで俺らこんなんやらないといけねぇんだよ!」
ちょっと冗談混じりな声だ。
「それな、あ゛ー!扇風機ないのやば」
それに応える声
男三人なのに姦しい。
僕は少し笑って作業を続けた。
この班は出席番号順で決められた。
「もしかしたら、ここに彼がいたかもしれない…、」
と、また考えてしまう。
少し笑って、立ち止まった。
きっとこの笑いはさっきとは違う。
暑さのせいか、頬と耳が紅い気がして仕方ない。きっと、暑さのせいだ。
あぁ、これは青春だ。、…青夏かな。
恥ずかしい言葉も彼への妄想ではいくらでも使える。
これすら恥ずかしい言葉である。
いつかこんな言葉達が吐き出せたらと思う。
…でも、彼は_
と、埃を被りながら考えていた。
この言葉達と外の暑さは、全く関係ないと明言しようと思う。心の内で。
「おぉーい!こっち終わったぞ〜ぅ!」
ふざけながら呼びかける声が響く。
「はぁ〜い!」
背筋が少し反応しつつ、僕も負けじと勢いよく返事をした。
とうとう掃除が終わった。
いつの間に埃を被っていた髪の毛なんて意に介さず、ただ教室に戻る。
音の大きい引き戸を開けると、爽快な風と騒然とした空気があった。
嫌だな、目の前にまだ、彼がいないなんて。
「せんせー、倉庫の掃除、終わりましたー!」
「あーあー、はい、じゃあ挨拶しよっか。」
何の意味があるんだろうと思いながら終えた。
「お疲れ様でしたー、」
焦らされた僕は、 首輪の取れた犬のように帰っていった。
向かったのは、家ではない。
コメント
1件
第2話、すごくよかったです…!😭💕 倉庫掃除という何気ない日常なのに、“彼”への想いが頭から離れない主人公の心情がひしひしと伝わってきて胸がきゅんとしました。特に「青夏」って表現、エモすぎる…同じ暑さのはずなのに、彼を思うときだけ頬が熱くなる感じ、すごくわかりますっ! 「首輪の取れた犬のように」という表現も、待ちわびた気持ちがストレートに出てて好きです。家じゃない場所に向かうラスト、続きが気になりすぎます…!次話も楽しみにしてますね🌸