テラーノベル
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69話の続きです。リクエストありがとうございます😭
キッチンから漂ってくる香ばしいトーストとコーヒーの匂いで、山本はゆっくりと意識を浮上させた。
ymmt「……ん……ぅ……」
重い瞼をパチパチと瞬かせ、寝返りを打つ。
頭の奥が微かに重い。
昨日、誕生日だからと周囲に勧められるがままにお酒を飲んだ記憶はあるが、どうやって家に帰ってきたのか、その先の記憶がすっぽりと抜け落ちている。
完全に思考が停止した状態で、布団にくるまったままふわふわと微睡んでいると、パタパタと近づいてくる足音がして、寝室のドアが開いた。
sgi「おい、いつまで寝てんだ主役。朝飯できてるぞ」
エプロン姿の須貝が、呆れ半分に笑いながらベッドの脇にどさりと腰掛ける。
ymmt「……んー……すがぃさん……」
まだ頭が全く回っていない山本は、差し伸べられた須貝の腕に、無自覚のまま「うー」とあやすようにしがみついた。
大きな体躯にすっぽり収まるようにして、広い胸元に頭を預けて完全に甘えきっている。
sgi「おいおい、まだ寝ぼけてんなぁ」
須貝はクシャッと笑うと、山本の髪をラフにガシガシと撫で、そのまま自然な動作で、無防備な唇にちゅっと短くリップ音を響かせて朝のキスをした。
ymmt「……え……?」
唇に触れた柔らかい感触に、山本の脳はさらにフリーズする。
「……? ……?」と腕の中で固まる山本を見て、須貝は楽しそうに笑いながら、布団ごと山本の身体をひょいと両腕で抱き上げた。
ymmt「わっ、……すがぃ, さん……?」
sgi「お前が起きないのが悪い。ほら、大人しく運ばれとけ」
驚いて一瞬だけ目を丸くしたものの、まだ眠気の勝っている山本は、須貝の首に大人しく腕を回して身を委ねる。
並ぶと圧倒的な体格差がある二人だ。
山本はすっぽりと須貝の腕に抱っこされたまま、ふわふわとした心地よさの中でリビングへと運ばれていった。
ダイニングテーブルの席にそっと下ろされ、ようやく自分の足が床につく。
目の前には、淹れたてのコーヒーが入ったマグカップが置かれていた。
ymmt「ありがと、ございます……」
まだ回らない口で呟き、山本は寝ぼけ眼のまま、温かいコーヒーで目を覚ましようとマグカップの持ち手に左手を伸ばした。
指を差し込み、持ち手を握り込もうとした、その瞬間。
——カチッ。
静かなダイニングに、陶器と金属がぶつかる、小さくも独特な硬い音が響いた。
ymmt「……ん?」
違和感を覚えて、山本はマグカップを握ったまま自分の手元に視線を落とした。
朝の光を綺麗に反射して、持ち手を握る自分の少し短い指の根元でキラリと輝く、シンプルなシルバーの輪が視界に飛び込んでくる。
ymmt「え、これいつの間に……っ」
動きが完全に止まる。
山本はマグカップを持った格好のまま、自分の左手を凝視してフリーズした。
何度もパチパチと瞬きをして、夢か現実かを確かめるように指を動かしてみるが、冷たくて硬い感触は確かにそこにある。
動惑して顔を真っ赤にする山本を愛おしそうに見つめながら、対面の席に座った須貝はふっと表情を和らげて口を開いた。
sgi「昨日、山本が寝てる間に嵌めた。……本当は起きてる時に渡したかったんやけど、帰ってきて抱きつきながら寝ちゃうから」
ymmt「すがぃさん……」
自分のために不器用ながらも優しい嘘を交えてくれた須貝の言葉に、山本の胸がじわりと熱くなる。
すると、須貝はテーブルを挟んで山本の左手をガシッと捕まえた。
自分の大きな手のひらで山本の細い指を包み込み、薬指の指輪を親指でそっとなぞる。
sgi「おい逃げんなよ。あれだけ言っといて記憶にございませんは通さねぇからな?」
さっきまでの少し照れくさそうなトーンから、須貝の声がふっと低くなる。
繋いだ手を少しだけ自分の方へと引き寄せた須貝は、山本の真っ直ぐな瞳を正面からじっと見つめ、熱を帯びた声で言葉を紡いだ。
sgi「これから一生俺の隣にいて、俺の人生を、お前の存在でもっと鮮やかに彩ってください。」
それは、いつものラフな彼からは想像もつかないほど、真剣で、重くて、どこまでも真っ直ぐな誓いの言葉だった。
ymmt「……っ、はい……!」
完全にシラフになった山本は、視界がじんわりと熱くなるのを感じながら、顔を真っ赤にしてコクコクと何度も小さく頷いた。
その様子に満足したように須貝はいつもの快活な笑みを浮かべ、繋いだ手の指をさらに深く絡めると、山本の指輪の感触を確かめるように強く握り込んだ。
sgi「……嵌めたからには、絶対に外すなよ?」
耳元に届いた低く独占欲の滲む声に、山本はもう一度、今度は嬉しさで胸をいっぱいにしながら、その大きな手に力を込め返すのだった。
(おわり)
コメント
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美月ゆめかです🌸 第70話読み終えたよ〜!! 朝の寝ぼけまなこな山本くんにキスしてそのまま抱っこしてお姫様運びするとか須貝さんずるすぎるでしょ…😭💕 「嵌めたからには絶対に外すなよ」の低めボイスと指輪のエピソード、完璧なプロポーズ展開すぎて心臓もたんわ…! 幸せな気持ちをありがとうございます、お二人の未来がずっとずっと鮮やかでありますように⋆♡