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side.りょ
今日は僕だけオフで、ぼーっとしながら掃除をしてた。
もともと片付けるのが苦手で、部屋がすぐ散らかっちゃうんだよね。
藤澤「も、やだなあ…」
今日はちょっとだけしんどいような。最近2人と会えてなくて、もう寂しさマックス。
はやく会いたい。抱きしめられたい。
2人不足でちょっとしたことでもうぐずぐずだ。
軽く掃除して、ソファに寝転がる。
藤澤「愛してるよごめんねじゃあね…まるで、月と…」
とりあえず無意識でSNSをチェック。
またいろいろ書かれてるなあ…笑
藤澤「ばかみたぃ…笑」
あることないこと書かれて、嫌に決まってんじゃん。
ストレスか何か分からないけど、無性にイライラする。
藤澤「あ”あ”もう”!」
2人がいないだけでこんな不安定になるとか、マジで終わってる。
スマホには全然知らない人たちの評価。
全然気にしてないよ。気にしてない。気にしてないって。
藤澤「気にしてないって”っ”っ”!!!」
ソファにあったクッションを投げる。
もうどうしよう。むしゃくしゃが止まらない。
泣きながら机をたたいて、物を投げて当たり散らかした。
あーあ、せっかく掃除したのに。
クッションを握ってまた投げる。
力を入れすぎたせいか、変なところにとんで行った。
藤澤「ぁ…」
ちょうどそこには棚があって、そこにあった写真立てが床に落ちた。
お忍びディズニーの時の、大好きな2人との写真。
急いで拾ったらガラスがバキバキに割れてて、床に破片が散らばってる。
写真を見ると2人の顔に傷が入ってた。
なんてことないし、また作り直して飾ればいい。
そう思うのに、今日だったのがまずかった。
藤澤「う”あ”あ”っ!も、やだっ”て”っ”!!」
破片の中に手を突っ込んでガラスを握りしめる。
血がにじんでいるけど、そのままぐっと握りこんで床をたたく。
そのまま気が済むまで泣き叫び続けた。
藤澤「も…、消え”ろ”っ”っ”!!」
大森「涼ちゃん」
後ろからふんわりと包み込まれる。はっとすると2人の腕の中にいた。
藤澤「元貴…?若井…?」
若井「うん」
そのままゆっくり手を持ち上げられて、ガラスから手を離した。
血がしっかり滲んじゃって、床にも数滴落ちた。
大森「手当、しようね」
若井「もう大丈夫。1人でがんばったね」
藤澤「ごめ、なさい…」
大森「なんで謝るの…何にも悪いことしてないじゃん」
若井「そうだよ。頑張ったじゃん」
藤澤「ぐちゃぐちゃ…片付け…」
大森「大丈夫。…ちょっと染みるけど、消毒するよ」
藤澤「ん、い”っ…」
元貴が綺麗に手当てしてくれて、若井が頭を撫でてくれた。
2人に会っただけでこの安心感だもん。僕の恋人は、ほんとにすごいなあ。
大森「疲れちゃったねえ…大丈夫だよ」
藤澤「ぅ…ごめん…迷惑…」
若井「あ、もう…お互い様、でしょ」
藤澤「今日はね、ちょっとだけダメだったの。ほんとにちょっとだよ」
若井「そっか。じゃあちょっとゆっくりしよう」
大森「また写真撮りに行こう?3人で、もう一回飾ればいいよ」
藤澤「うん…僕、さ、…すごく重いみたい。」
若井「俺も寂しいもん。みんな一緒だよ」
藤澤「こんな僕知らなくて、びっくりしちゃって」
大森「ちょっとだけ、そんな時もあるよ。大丈夫」
藤澤「うんっ…!」
若井「あー…久しぶりすぎる…俺の恋人かわいい…」
藤澤「んへ…あ、お部屋…」
大森「明日一緒に片付けよう?俺も寂しかったから…」
若井「今日はずーっと一緒にいよう」
藤澤「うん!」
疲れる日も、寂しい夜もある。ちょっとだけ、ね。
作者が写真立てを落として荒れたって話。
没話すいません。
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