8年前__
数階建ての建物から煙と炎が立ち昇り、上空に吸い込まれていく
メラは地面に膝をついてる母親の元に駆け寄った
メラ『母ちゃんっ!』
母『中にあの子が…!』
涙目の母を見たメラは、キッと建物を睨み付ける
母『メラ!!』
母の声も虚しく、メラは塾の中に突っ込んでいった
メラ『ヒノコ――!!何処だ――!!』
メラは建物の中を歩き回るが、ヒノコの姿は一向に見当たらない
メラは苦しそうに何度か咳き込み、床に膝をつく
メラ『……駄目か…』
力尽きて倒れそうになったその時。
向かいの壁がドゴォン!!と突き破られた
メラは何事かと驚いて顔を上に上げる
なんと、目の前には死んだはずの獅子黒が立っていたのだ!
メラ『獅子黒…!生きてたのか!?』
獅子黒『……お前の実力は、この程度か?』
獅子黒のその言葉に、メラの脳裏にあの言葉が蘇る
獅子黒【いつか、本当の勝負の時が来る。覚えておけ】
そして…
母『……あ…!』
煤塗れになったメラが、ヒノコを背負って外に出てきた
獅子黒のお陰で、妹を助け出す事が出来た…
だけど……
メラ『どうなってんだ…?なんで、獅子黒が写ってないんだよ?』
メラは新聞に載ってる写真を見て唖然とし、獅子黒を見やる
だが、すぐにハッとなる
メラ『そうか…お前は本物の獅子黒じゃない……
お前は俺の中にある【強くなりたい】って気持ちが形になったもの…』
獅子黒は目を閉じると、静かに立ち上がる
獅子黒『もう、大丈夫だな』
メラ『待て!!』
メラも立ち上がる
獅子黒『俺の役目は終わった。消えるとしよう』
メラ『消えなくていい!!
俺の力がその形になったんなら、これからも手を貸してもらう!
俺の子分としてな!』
獅子黒はほんの一瞬だけ目を見開くと、柔く微笑んだ
・
メラ「…獅子黒……俺はまだ、お前に追い付いちゃいない…!」
メラは瞳をギラリと光らせ、勢いよく立ち上がる
炎の闘志が燃え上がるメラのYSPウォッチが淡く光り、1枚のメダルが飛び出してきた
チャリンと音を立てて地面に落ちたそれを見て、メラは目を見開く
メラ「これは…!?」
その瞬間、炎の渦を突き破ってスキャンダルメシアンが此方に向かって突進してくる!
メラは高くジャンプしてそれを避け、スキャンダルメシアンの脇腹に勢いよく蹴りを食らわした
スキャンダル「ギャワァァン!」
スキャンダルメシアンは情けない悲鳴を上げて地面に倒れ込む
メラは変身メダルを取り出す
メラ「いくぜ、獅子黒!変身!!」
ワーイ! change form! 妖怪ヒーロー!
メラは腕を天に突き上げてクルリと回し、ポーズを決める
シシオウ!
メラはベゼルを回す
メラと獅子黒は背中合わせになり、互いの拳を付き合わせる
すると、獅子黒が炎のライオンのようなエネルギーに変わり、メラを飲み込んだ
獅子王「暴れてぇ~、御免!」
獅子王は歌舞伎風にデデン!とポーズを決めた
ジンペイもメダルをセットする
ジンペイ「助太刀するぜ!!」
ワーイ!
バケーラ「バケー」
お次に素早く変身メダルをセットする
ジンペイ「変身!」
ワーイ!ワーイ!ワイワイワイワイワイワイ…… SP!
紅丸「赤く染まったこの体、お主の血で更に赤くなる、の巻!」
事の成り行きを見守っていたネナは忙しなく辺りを見回し、頬を染めて興奮する
ネナ「す…凄い…!!///」
獅子王はコマンドメダルをセットする
ワーイ! エグゼキュート!
獅子王「爆炎列島 ウェルダン!!」
獅子王の放った技と、スキャンダルメシアンが吐き出した炎が勢いよく激突!
炎の勢いはスキャンダルメシアンの方が勝り、獅子王は遠くに吹っ飛ばされた
マタロウ「不味い!;」
スキャンダルメシアンは獅子王の腕に噛みつくと、ぶんぶんと勢いよく振り回す